『家族』、『幸福の黄色いハンカチ』、『息子』、『学校』シリーズ、『おとうと』、そして『男はつらいよ』シリーズで、その時代、時代の家族を見つめ続けてきた山田洋次監督。
監督作81作目となる新作は日本映画界の巨匠、小津安二郎監督に捧げる作品。
家族の絆と喪失を描いた『東京物語』から60年—。
山田洋次監督が映画『東京家族』で、今の日本、そして私たち家族の物語を描きます。本作は、2013年1月19日(土)に公開いたします。

【山田洋次監督のコメント】

■受章の知らせを受けたとき

(映画「東京家族」南座特別試写会の舞台挨拶のため滞在中の)京都で電話を受け、びっくりしました。
映画人の一人として映画界を代表して日本映画のためにこの章を頂こう、という気持ちでお受けしました。

■50年に渡る監督生活を振り返って

松竹という土台があったので、作りたい作品があってそれを実現できる条件を与えられていました。常に作りたいものがありそれが50年間続いてきました。
今も2本や3本作りたいものがあります。寅さんシリーズが終わった時、「これで終止符を打つか」とも思いましたが、でも寅さん以外の作品で作りたいものもいくつもあり、それを一つずつ実現しているうちに何年も経ってしまったという感じです。
作りたいと思う、作ること自体が楽しい、面白い。
作ることを楽しんでいると観客にとっても楽しい作品ができるだろう、そんなことを信じてやってきたつもりです。

■小津安二郎監督『東京物語』をモチーフに作られた、
最新作『東京家族』について

今から50年前、監督になりたての頃、小津さんの映画には興味がなく、古臭い映画だなと思っていました。まさか「東京物語」を下敷きにした映画を作るなんて想像もしていませんでした。

ある時期から小津作品を、凄い映画だと思うようになり、50年かけて「世界で一番の映画じゃないか」と思うようになった頃に、英国映画協会でも『東京物語』が世界一位に選ばれました。
 『東京物語』はとても丁寧に作られています。登場人物の心のひだに観客がすっと入っていける演出がされているのです。
この世界一の映画を真似することは何も恥じることではない。
思い切り真似してやろう、と思ってこの『東京家族』を作りました。
こういう作り方をした映画はあまりないとは思いますが、今、上手くいったのではないか、と思っています。

■「男はつらいよ」の寅さん、そして渥美清さんがこの場にいたら何と言うと思うか

寅さんは、「文化勲章って、それ何だい。」「そんな立派なものもらってどうするんだい。」「俺みたいな出来損ないの映画を作っていてそんな章を取るなんて。」と冷やかしそうですね。
そして、渥美さんが生きていたら、きっと喜んでくれたでしょう。

【お祝いのコメント】

■倍賞千恵子さんコメント(映画「男はつらいよ」さくら役)

山田さん文化勲章受章、本当におめでとう御座います。
 私は「男はつらいよ」の最初の台本をいただいた時の事は今でも忘れられません。まるでそこは、その時の私が生きている場所のようでした。
そして登場人物は人情あふれ、つつましく、優しく、寂しく又楽しく!
生きている。そんな世界だったのです。そしてその世界にこれから入っていくという事に、本当にワクワクしました。
 山田さんの作品に登場するのは、英雄でもなく偉人でもなく、輝くスポットライトを浴びる人でもなく、その後ろにいる本当に普通の人間です。
私はそんな山田作品の中でたくさんの仕事をご一緒出来たこと本当に誇りに思います。そしてそんな山田さんの作品が大好きです。どうぞこれからもご自愛なさってお仕事をお続け下さい。この受章、こんなに嬉しい事はありません。おめでとうございます。

■橋爪功さんコメント (映画『東京家族』主演)

受章おめでとうございます。
監督の最新作に参加できたことを誇りに思います。
出来ればあの貴重な時間を共に過ごさせて下さい。

■吉行和子さんコメント(映画『東京家族』出演)

おめでとうございます。
こんな嬉しいことはありません。
東京家族の撮影の時、何と若々しい感覚をお持ちなのだろう、と何度も驚きました。これからも、素晴らしい作品の誕生を期待しております。

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