2013年お正月第二弾公開となります、石原慎太郎原作/企画の映画『青木ヶ原』が第25回東京国際映画祭〈特別招待作品〉として選出され、舞台挨拶を行いました。前日に原作・企画を手がけた石原慎太郎が東京都知事を辞任すると発表したこともあり、100名以上の報道陣が集まる中、『青木ヶ原』への思い、そして映画に対する愛を語り、熱気あふれる舞台挨拶となりました。

■実施日:10月26日(金)16:55〜
■場所:TOHOシネマズ六本木ヒルズ
■登壇者:原作/企画 石原慎太郎、新城卓監督、勝野洋、矢柴俊博

新城監督:本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。みなさん集まってくれるかなと心配したんですが、幸い昨日、石原さんがどでかい爆弾をぶん投げたもんですから、きっと来るだろうと期待していました。この作品は言うまでもなく石原さんのご尽力で映画化になりました。大変感謝しております。

矢柴:今日はお越し頂きましてありがとうございました。この作品は非常にシンプルな作品だと思っていますので、丁寧に演じました。監督は今村昌平監督のチーフ助監督だったということで、現場で、「今村さんはこうだった」という話をお聞きして、僕のような若い俳優がそういう偉大な監督の話を聞いて、またきっと僕も後輩の俳優に伝えていくことになるのかなあと、映画が伝わっていく力みたいなものを感じて楽しかったです。

勝野:実は僕は御殿場に20年以上住んでいまして、青木ヶ原というのは本当によく噂に聞くところでした。しかしまさか自分がこういう素晴らしい作品に出演させて頂くことになるとは思ってもいませんでした。新城監督とは30年来のお付き合いでして、「お前やれ」と言われて大変嬉しかったです。やっぱり映画っていいですね。現場も映像も職人さんの集まりで、コツコツ1歩ずつつくっていくんです。それがほんとにいいと思いました。当時は3月4月くらいで現場は寒かったんですが、富士山も綺麗で、日本の最高の場所で日本一の山を見ながら『青木ヶ原』というすばらしい作品に携われて、石原さんと監督に感謝の気持ちでいっぱいです。

石原:私と新城さんの共同製作は3本目なんです。3本目のこの映画もとっても良かったと思いますが、唯一の欠点は、私のセリフが短い事です。私は沖縄が好きで沖縄のショートストーリーをいくつか書いているのだけれども、それを3つくらいのオムニバスにして沖縄物語というのをまた2人で作ろうと思いますのでご期待ください。

MC:石原さんの役者ぶりはいかがだったでしょうか。

石原:カットが短すぎるんだよ(笑)!
いやね、水野さんじゃないけど、ほんとに映画っていいもんですね。私も知事やめてさっさと映画監督やるつもりだったんですけど、ちょっとまた道を間違ってね。この国を見ていられないからあとちょっとやりますけど、そのあとは90過ぎても映画撮るからね!絶対人に渡したくない作品が2つ持ってるんで、これはもう自分でやります。

MC:監督はこれまで石原さんの作品を映画化されていますが。

監督:石原さんは非常に優しい人ですよ。僕はおべっか使うことはないんです。この『青木ヶ原』でススキを見に行った時も、私が車で行くと、必ず彼は運転席に座ってくれるんです。やっぱり知事ですから後ろに座って指示しそうですがそうしないのですね。ただ、うるさい人なんですよ。「窓が汚れているからもうちょっと水流せ」とか。しょうがないから、うるさいなあと言いながら行くんですけどね。誤解されますけど、素晴らしい人だと思いますよ。

石原:もう俺が帰ってからにしよう。

監督:今日は、新党結成のために集まっていただきましてありがとうございました(笑)。

◆最後のあいさつ
矢柴:石原さんに初めてお会いしたとき、「お前は本当に幽霊みたいだな」と言われました。是非、家に帰ったら来年の公開に行こう、とお誘い頂ければと思っております。今日は観て頂いてありがとうございました。

勝野:映画の中に出ている真っ白い犬はうちの犬です!素晴らしい犬だと思っております。ありがとうございました。

監督:映画というものは時間がありますから、それに合わせて(観に)来るっていうのは大変なんですよね。でも映画っていうのはそれだけ観る価値があると思っております。これからもみなさん映画を観ましょう。

石原:いやあ、映画っていいもんですね(笑顔)!