新聞、ラジオ、テレビ、雑誌、インターネット様々な媒体で話題沸騰している園子温監督最新作『希望の国』が本日初日を迎え園子温監督、夏八木勲、大谷直子、村上淳、神楽坂恵、清水優、梶原ひかり、でんでん らが一堂に会しての舞台挨拶を新宿ピカデリーで行いました。

◆園子温監督の談話
「この映画は、日本人のためだけに作った映画で、一見さんお断り映画と呼んでいまして、津波や地震のことは描写せず、海外の人たちには不親切なつくりになっているのですが、意外にも海外の方々は3・11に詳しくてとても評価され、賞()までいただきました。いよいよ今日から日本で上映されるわけですが、ここ(新宿ピカデリー)が我々の最初の砦になります。舞台挨拶に朝から駆け付けていただいて感謝しております。どうもありがとうございます」

先頃急逝された若松孝二監督についての質問が出ると「つい映画祭で出向いた釜山の税関で、大きな声で声をかけられてお会いしたばかりでしたので、今回のご逝去には驚きました。若松さんは、最後の闘う映画監督だったと思います。僕はあそこまで闘えるのかな…本当に惜しい方を亡くしました。若松さんも次は原発の映画を撮りたいとおっしゃっていましたが、社会に立てついて批判して一生懸命闘ったのは若松さん一人だったから、これからも若松さんの映画を見続けたいですね。そして遺志を継いでいきたいです。釜山の空港で会ったなんて、まるで空に旅立つようだった若松さんを見て、僕も若松さんの燃える闘魂を注入したいと思いますね」と惜しまれて亡くなった若松さんを追悼した。

『希望の国』は、トロント国際映画祭でNETPACアジア最優秀映画賞を受賞し、フランス、イギリス、ドイツ、台湾など世界各国での公開も決まっている。

◆主演夏八木勲の談話
「この映画を観て楽しんでいただければ幸いです。トロントでの受賞の報を聞いてとても嬉しかったです。言葉の違いを超えて通じるものは通じるのだと思いました」

◆主演大谷直子の談話
「今日は朝8時頃にこの劇場に来て、朝早くから行列ができているのを見て、とてもいい朝を迎えることができました。海外でこの映画が配給され、たとえばフランスのスクリーンで私達日本人の俳優の顔が映るなんてね、皆で魂を込めてこの映画を作ったので、それが伝わって行くのが嬉しいです。この映画はまるでドキュメンタリーのようで、『この人たち(映画の出演者)は本当にここに住んでいるの?』という手紙をいただいてとても嬉しかったんです」

◆村上淳の談話
「今日この映画が日本で封切られること自体がすごいことだと思っています。海外配給の話もいま初めて知ってすごく嬉しいです」

◆神楽坂恵の談話
「多くの方々に来ていただいて本当にありがとうございます。『希望の国』に携わることができて嬉しいです」

◆清水優の談話
「日本人としての誇りを感じる映画です。皆さん自分に置き換えて観られる映画だと思います」

◆梶原ひかりの談話
「私にとって10代最後の記念すべき作品がこの『希望の国』で良かったです」

◆でんでんの談話
「この映画を観終わった後に、ぜひクチコミして下さい。政治家の方や官僚の方、東電の方にぜひ勧めて下さい。そして、園組の映画に出られると外国で上映されるので嬉しいですね。僕も少し前の『冷たい熱帯魚』に出させていただいたので、海外では僕もちょっと顔を知られているみたいです。自慢しちゃってすみません(笑)」
と、園組常連とも言えるベテラン俳優でんでんの会話に一気に会場がなごみ、笑いがあふれる和やかな舞台挨拶となった。