この度、語り継ぎたい映画シリーズvol.3『アナザー・カントリー』リバイバル上映記念試写会&モデル栗原類さんのトークショーを行いました。

●日時:10月17日(水) 18:30イベントスタート 
●場所:アキバシアター 
●登壇者:栗原類(モデル)

10月27日(水)、語り継ぎたい映画シリーズvol.3『アナザー・カントリー』リバイバル上映記念試写会がアキバシアターで開催され、ネガティブモデルとして大人気の栗原類が登壇した。
映画は、80年代イギリスのパブリックスクールを舞台に、同性愛や共産主義に傾倒していくエリート学生たちを描いている。登場人物たちと同じように現役高校生である栗原類は、映画について感想を聞かれると、「この映画はどの場面も、カーテンやテーブルなどの美術セットや、全編通して映像がとてもアーティスティックです。またキャストのリアルな演技のおかげもあると思いますが、ぼくも映画の世界にいるように感じられました。公開当時まだ生まれていない僕が観てもとてもアーティスティックに感じるので、当時観た人が改めて観なおしても、この映画のアートな世界観は変わらないと思います。」と、映画の魅力を語った。

今回、本作が当時まだタブーとされていた同性愛が描かれていることにちなんで、池袋にあるボーイズラブをコンセプトにしたカフェ、“池袋男子BL学園”の“学生”が映画のワンシーン再現に挑戦。彼らの熱い演技に対し栗原は、「95点。ほぼ完ぺきだけど最後は真剣なシーンだからもうちょっと落ち着いた感じで。」と高得点ながらも厳しい意見。『もう一生、女は愛さない』という劇中の有名なセリフには共感したと語ったが、このセリフを言ってほしいという会場からの無茶ブリに対しては、「こんな僕が言ってしまったら、映画のアーティスティックな世界を壊してしまうのでダメです!」と、頑なに拒否し会場を沸かせた。

また同性愛については、「3年間男子校にいると、そのような感情になってもおかしくないと思う。長い間ずっと一緒にいると、お互い理解し合えるようになるので、友情以上のものが生まれるのかもしれないですね。大切な人が見つかることはいいことです。」と話すも、「僕が大切な人を見つけるなんて、一貫の終わりです。とんでもない。」と恋愛に対してネガティブな一面は変わらないようであった。

さらにイギリスと日本のハーフであることに触れ、MCからの英語の質問に対し、驚きながらも流暢な英語を披露。しかも自分で通訳するという荒業を同時に披露し、会場はその才能に感心しきり。この日は映画を意識したブリティッシュトラッドファッションを装い、「今日着ているフレッド・ペリーやヴィヴィアン・ウェストウッドは前から好きですし、最近気になるファッションは、元オアシスのリアム・ギャラガーのブランド“プリティーグリーン”。音楽は、ポール・ウェラーやデヴィッド・ボウイ、ミューズなど。両親の影響で、ブリティッシュ系は好きです。」と会場そっちのけ英語で話す姿は、まるで映画の中の学生たちのようなクラシックな雰囲気を纏っていた。

通訳という道もあるのでは?今後の活動について聞かれると、「いえいえ、僕が通訳なんてグダグダしてしまうので、その道はありません。ナレーションとか、音楽が好きなので洋楽を紹介したりしてみたいですね。」とポジティブな一面も見せるが、「でも僕はもう今年で消えてしまうので」と相変わらずのネガティブ発言は止まらなかった。

最後に、「ぜひ、僕のことは忘れて映画を観て、本作の良さを体感してください。みなさん、アーティスティックな世界に飲み込まれますよ。」と、最後までネガティブながらも、映画の魅力を伝えて締めくくった。『アナザー・カントリー』は、10月27日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー。