■ 日時:10月16日(火) 18:40〜19:00 
■ 場所:渋谷ユーロスペース
■登壇者(敬称略):高橋惠子(57)、あがた森魚(64)
高橋伴明(プロデューサー)(63)、谷川賢作(音楽)(52)、山本起也監督(46)、
学生キャスト:深谷健人、平岡美保、ぎぃ子、土村芳、日當遙(原案)、山口奈都美(原案)

◆舞台挨拶とその後の囲み取材では、高橋惠子&伴明監督が夫婦で登壇。仲の良いふたりのやりとりで終始和やかに進みました。惠子さんからは突然、プロデューサーであり夫でもある伴明監督に、この作品についてずっと聞きたかった質問を、投げかける場面もありました。

高橋惠子:
主人公の千代役という実年齢よりも老けている、初老の女性役を演じさせていただきましたが、役の幅が広がったという事で(笑)。でも現場では、いかに老けた顔にさせるか試行錯誤しました。メイクでは暗い色を顔に塗ったり、普段とは間逆の事をしました。だから、撮影後メイクを落とすと毎日若返った気分になれるんですよ(笑)!楽しかったです。
あ、そうだ、わたし聞きたいことがあります。
(伴明さんに)わたしをこの作品に、この初老の女性役に起用した理由は何ですか?

伴明:
いやあ…。もろもろの諸条件をかんがみると・・・、一番頼みやすかったというのが一番の理由ですよ。

高橋惠子:
まあ、諸・条・件??(笑)。でも、どういう動機であれ、この役はうれしかったです。
こういう役はありそうで今までに無かったので、貴重です。これからのわたしにとって大事な作品です

◆ご夫婦での現場は?
伴明:
わたしは付き人のような役割で(笑)…。映画の現場で仕事としてやったことは、車留めと、火を起こすことと(焚火)、付き人です。

高橋惠子:
でも、伴明さんは現場には口を出しませんから(笑)、わたしの事を気遣ってくれて。撮影に出かける前に、わたしにポットに入った温かいお茶を持たせてくれたりして。こんな事、結婚して初めてですよ!

◆海外映画祭で受賞を逃すも高評価を得たことについて
高橋惠子:
学生たちと一緒になって作った作品が、チェコのカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭に招待されたと聞いた時は、すごく驚いたし、嬉しかったです。海外の映画祭で高い評価を頂き、舞台挨拶でたくさんのお客様に拍手喝采を頂いた時も、現場で一緒になって苦労した学生たちの顔が思い浮かんで、感動しましたね。
素晴らしいご褒美を頂きました。

◆最後に一言
高橋惠子:
私や主人公の千代さんと同年代の、50〜60代の方々、そして若い世代の方に観て欲しいです。
人と人との触れ合いがどれだけ大切かを、とても感じて頂ける作品です。
映画を観ながら、何かをしみじみ感じたい方に、ぜひお薦めしたいです。

伴明:
日本映画をめぐる状況が、あまりいいとは言えないなか、それでも頑張って自主映画を作っている人たちに、この作品を観てほしい。こんなやり方もあるんだなっって思ってほしいですね。

山本監督:
「人はひとりじゃない」「みんなつながっている」みたいな映画が多いですが、僕は、人間は一人に決まっている、と思うんですね。
そういった風潮の中、自分の二本の足でしっかり立っている人間を描きたかった。
お手軽な、分り易すぎる映画に飽きた人に、ぜひ観て欲しいです。

高橋惠子23年ぶりの主演映画!孤独な初老女性を迫真の演技で魅せる!
夫・高橋伴明監督(京都造形芸術大学映画学科長)と夫婦そろって登壇!
世界三大映画祭と並ぶ存在として認められるチェコのカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で12作品中№1の高評価!!