10月20日(土)より公開の映画『希望の国』では、物語の中心となる小野家の妊娠中の主婦が、放射能からお腹の子どもを守ろうと必死に考え行動する姿が描かれています。今回は、アトミック・カフェの主催のもと、ゲストに、ap bank監事の田中優さん、そして原発事故現場近くを撮影中に、ご自身の妊娠が判明し、母親として放射能の影響を考えたという体験が『希望の国』の脚本のヒントになったドキュメンタリー作家の海南友子さんをお迎えし、“いま起きていることは他人事ではない”ことを前提に、映画で描かれる「次の原発事故が起こったら」というシミュレーションから見えるもの、今の日本の現実について主婦の皆様と一緒に考える試写会を行いました。

ご自身も映画監督である海南友子さんは、「去年4月からずっと撮影をしていましたが、その場にガイガーカウンターを持って行っていたら、数値が高かったのです。その時期に妊娠が発覚したので、本来は嬉しいことですが、当時はパニックな気持ちになりました。映画の中で神楽坂さん演じる妊婦のいずみが、病院から出たら真っ赤な空気がある、というシーンは自分が感じたことを園さんに話した内容が映像化されたもので、私は出産を西の方でしようと思ってしまったし、今も関西と東京を行き来しているんです。この映画を観たあとは言葉になりませんでした。この映画の中に私達はいるんですね。」と大変に感慨深い表情で語りました。
海南さんは集まった主婦の代表として、環境活動家である田中優さんに子どもの健康を守るためにはどうすればいいのか、など質問を投げかけていました。
また田中優さんは「この映画で描かれていたように危機感が薄れていくことに危惧を感じています。この現実を日常生活のこととして持続して考え、どう自分が選択するかが重要ですし前向きに生きていくことが何よりも大切ですね」と観客にメッセージを投げかけました。

イベント後にも、ゲストのお二人に真剣なまなざしで主婦の方たちから多くの質問が飛び交いました。原発のある日本に住んでいる我々皆が、考えなければならない問題に真正面から向き合っている、映画『希望の国』は園子温監督から日本人への質問状です!

◆本イベントを主催したアトミック・カフェとは
始まりは84年に日本で開催されたアトミック・カフェ・フェスティバル(ACF)。音楽シーンから反核のメッセージを発信。90年代、一旦活動を終えたものの、その思想はフジ・ロック・フェスティバルの中で育まれ、2011年、東京電力福島第一発電所の事故を受け復活。脱原発社会の構築と自然エネルギーへのシフトを発信する場として再起動し、様々なアクションを起こしている。

映画『希望の国』公式サイトwww.kibounokuni.jp  
Twitter:@kibou_movie  facebook:www.facebook.com/kibounokuni