フレンチホラー『マーターズ』で各国に賛否の嵐を巻き起こしたパスカル・ロジェ監督の最新作『トールマン』が、ジェシカ・ビールを主演に迎え、ついにシアターN渋谷にて、11月3日(土・祝)よりロードショー!
(本作は惜しまれつつ閉館が発表された、シアターN渋谷のクロージング作品となります)

一般公開を前に、プロモーションで来日中のパスカル・ロジェ監督が、10月5日(金)にシネマート六本木で行われた特別試写会にて舞台挨拶を行いました。

日時:10月5日(金) 
場所:シネマート六本木(港区六本木3-8-15 B2F)

パスカル・ロジェ(以降 P)『マーターズ』以来、2回目の来日です。
皆さん、今日はご来場頂き本当にありがとう。

Q:日本に来て、どこか行きましたか?
P:今朝、特撮博物館に行って来ました。

Q日本映画は好きですか?
P:私は日本映画から多大な影響を受けています。ポルノ映画から怪獣映画まで。
また、日本のホラー映画の本能に訴えかける撮り方が好きです。

Q:今作の企画の成り立ちは?
P:まず、成り立ちの前に、『マーターズ』は様々な物議を醸し出しましたが、『トールマン』も私の違った意味での提案として観てもらえたら嬉しいです。私は、監督として色んな事を試したいと思っています。『マーターズ』と『トールマン』は、本質的なテーマは似ている部分はありますが、表現は全く違うものです。『マーターズ』に関しては、当時の私の心理状況もあって、メロドラマ的、自殺願望的に撮りました。今は違った心理状況ですので、『マーターズ』のように『トールマン』を撮ってしまったら、嘘をつく事になります。
『トールマン』は『マーターズ』を撮る前から構想がありました。しかし、その頃は作品規模が大きく、実現に時間がかかりました。そのおかげで、数年間、企画を練り上げる事が出来ました。ジャンル付けるなら、『トールマン』は純粋なホラーではなく、ミステリー、謎の映画です。
着想は、ヨーロッパ、アジアでもある失踪人のビラを見て思いつきました。それが現実のミステリーなのです。ビラやポスターを見るたびに、失踪した日から10年、15年、20年と経っていて、顔もすっかり変わっているだろう、そして、その人はどこへ行ったのか?という疑問がこの映画の原点です。
その数年後、ニューヨークでFBI捜査官に会いました。彼から聞いたのは、毎年1000人の子供が跡形もなく失踪する現実。1000人というのはものすごく多い数です。FBI捜査官は、悩み、取り付かれていました。真実を知る事ができるなら、腕1本なくなってもいいと話していました。彼(FBI捜査官)との面会を得て、この映画を撮ろうと決めました。都市伝説の答えを提案しようと思いました。
まるでパズルのような映画で、ラストまで真実は分からないと思います。
私自身がハリウッド的な映画を作りたくなかったので、インディペンデント映画です。
皆さんも、驚いてくれると嬉しい。ご覧になって、裏切られた気分になって、結末について話し合ってくれたら嬉しいです。
そして皆さん、今日ここに来たのはラッキーです。1000人の子供がどうなったのか、謎が解けます。