”特撮の神様”と呼ばれる円谷英二が円谷プロダクション(設立当時:円谷特技プロダクション)を創立し、2013 年で50 周年を迎えます。
円谷プロといえば、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』等の怪獣や巨大ヒーローが登場する作品が広く知られていますが、この他にも特撮を効果的に駆使したドラマや、人間ドラマの数々を送り出しています。
これらの作品を世に残すべく、この50 周年という記念すべき年に「復刻円谷TV ドラマライブラリー」シリーズとし、9 月21 日発売の『怪奇大作戦』を皮切りに、『マイティジャック』『戦え!マイティジャック』など、順次リリースいたします。

DVD 発売開始を記念して、9 月29 日(土)、現在絶賛人気開催中の「館長庵野秀明特撮博物館ミニチュアで見る昭和平成の技」会場である東京都現代美術館において、『ウルトラセブン』『怪奇大作戦』『戦え!マイティジャック』の傑作エピソードを上映する、スペシャル試写会を行いました。
当日は、「館長庵野秀明特撮博物館」の展示コーディネートおよび修復師を担当し、『ウルトラマンメビウス』等で監督・特技監督も務めた原口智生によるトークショーを実施。原口氏は本展覧会の【マイティジャック】コーナーに展示されている「MJ号」ミニチュアの修復師でもあり、MJ号の修復作業について、また今回上映するエピソードや、円谷作品の魅力についてなどを語っていただきました。

9 月29 日、現在開催中の「館長庵野秀明特撮博物館ミニチュアで見る昭和平成の技」会場である東京都現代博物館の、地下2 階講堂において、同展覧会の展示コーディネート・修復師を務める原口智生による円谷特撮作品セレクション上映会を実施した。
「特撮博物館」は9 月24 日に来場者20 万人を突破したばかりで、この日も早くから多くの来場者で賑わっていた。14 時半から行われた上映会は、ちいさな子どもから大人まで幅広い年代の観客が集まり、スペシャルゲストとして登場した原口智生によるトークに聞き入っていた。
原口智生は、特殊メイクアップ・アーティスト、造型師という肩書きのほか、『ウルトラマンメビウス』で監督・特技監督を務め、映画『デスカッパ』等を監督。「館長庵野秀明特撮博物館」では展示コーディネート・修復師を務めている。
イベントでは、1960 年代後半に放映された作品から自身の特殊メイクアップ・アーティストとしての視点で「それぞれにミニチュアの魅力が醸し出されている」3 作品から、傑作エピソードを選出、『ウルトラセブン』13 話「V3 から来た男」、『怪奇大作戦』3 話「白い顔」、『戦え!マイティジャック』12 話「マイティ号を取り返せ!!(前編)」を上映した。

『ウルトラセブン』に登場する「宇宙ステーションV3」の模型を持って登場した原口氏。博物館の館長である庵野秀明氏とは、“盟友”といえる仲といい、同展の企画が持ち上がったとき、「ミニチュアを主体に見せたい」と誘われたことを明かす。
展示の目玉の1 つ、全長約3m のミニチュア、『マイティジャック』の「MJ 号」の修復を担当した原口氏。
「当時の技術と同じ方法で修復したいと思いまして…。やはり修復は最初から最後まで全部が難しかった」と修復のときを振り返った。
実はこの企画が決定する前から、自身の作業として修復を行っていたそう。
今回展示されているマイティ号は木材が一部使用されているが、元々はブリキ製。復元作業中、2011 年3 月11 日の東日本大震災が起こり、借りていた千葉の工場が全壊。
偶然にも、MJ 号は東京へ移動させていたことが幸いし、壊れなかった。
「震災後、多くの方もそうだったと思いますが、色々なことから僕自身、精神的に追い込まれていて・・・。そんな時、庵野秀明さんからこの企画の話をもらったんです。MJ 号が残っていたということが奇跡的ですし、気持ちがそれに向かっていけた」
庵野氏からは「修復師」という肩書きをもらい、MJ 号の修復だけではなく、自身の経験を活かして展示コーディネートにも携わった。展示にあたって、原口氏が庵野氏から言われたことで「できるだけケースに入れない。近くに寄って見られる。それから子ども達にとっても見やすくなるように、展示の高さを低くする。」ということがあった。「昭和の特撮を知らない子供でも楽しく見られるようにしたい。本当は、子供達には触れてもらいたいくらいの気持ち。壊されたりは困るんですけど、特撮・ミニチュアなんかに触れたことがない人に、新たに観てもらって楽しんでもらえるといいなと願っている」と想いを語る。

トークは、上映したそれぞれの作品についても触れ、『マイティジャック』については、「この展示の“館長”である庵野秀明が愛してやまない作品が『マイティジャック』。生きている内にMJ 号を修復したいと庵野さんが熱望していたこと、特撮の技術、ミニチュアを文化として残したいと思ったことが、この博物館を企画した大きなきっかけ」と話す。
おなじく上映した『怪奇大作戦』については「海外ドラマ『X ファイル』を先取りしているのでは」と言うレーザー光線による犯罪の設定が面白いといい、「親子の悲しい物語で、ストーリーも面白いですし、演出が本当に洒落ている。自分が特殊メイクを仕事にしているということもあるんですが、ラストの特殊メイクはぜひ観て欲しいですね。それから、何より(映像業界の)先輩方の気概を感じるし、素晴らしい仕事が集約されている作品」。
また『ウルトラセブン』については、現代でも通じる良質のストーリー展開など、ミニチュアの話だけではない、特撮作品の素晴らしさを熱く話った。
最後に「展示したものを通して、魅力があるものなんだなと心の中に残せるものなら、本当によかったと思います。僕のこれからの作品にもミニチュア特撮の良さを入れていきたい。展示会を作るために力を貸してくれた人、多くの観に来て下さった方たちに感謝しています」と締めくくった。
上映された『ウルトラセブン』はウルトラ1800 シリーズとしてDVD 全12 巻が好評発売中。『怪奇大作戦』のDVD−BOXは、上巻が好評発売中、下巻が11 月21 日(水)発売。『マイティジャック』DVD−BOXは2013 年1 月21 日(月)に発売。『戦え!マイティジャック』DVD−BOXは2013 年5 月21 日(火)に発売。

■怪奇大作戦DVD-BOX 上巻発売中価格:11,970 円(税込)【収録】第1 話〜13 話
■怪奇大作戦DVD-BOX 下巻11 月21 日(水)発売価格:11,970 円(税込)【収録】第14 話〜26 話
※24 話は欠番となっております
■マイティジャックDVD-BOX 2013 年1 月21 日(月)発売価格:16,800 円(税込)【収録】全13 話
■戦え!マイティジャックDVD-BOX 2013 年5 月21 日(火)発売価格:16,800 円(税込)【収録】全26 話
発売元:円谷プロダクション販売元:東映・東映ビデオ