長崎在住の漫画家・岡野雄一が、自らの体験をもとに認知症の母親との心温まる日常を描いた「ペコロスの母に会いに行く」が今年の1月に自費出版され、その「ほっこりと」「あたたかく」「そしてせつない」物語が、40代、50代を中心にFacebook上で熱い支持と共感を集めたことがきっかけで映画化へと繋がった映画『ペコロスの母に会いに行く』。

森?監督は1927年生まれの現在84歳。
現役監督としては最長零。
会見では撮影について「非常に大変だがこれで真価を問われるんだろうと、非常に殊勝に思っています」と地元長崎での感慨深げに語りました。

■日時:9月16日(日)  ■会場:ホテルニュー長崎
■出席者:岩松了(岡野ゆういち役)、赤木春恵(岡野みつえ役)、森?東監督、岡野雄一(原作者)

長崎在住の漫画家・岡野雄一が、自らの体験をもとに認知症の母親との心温まる日常を描いた「ペコロスの母に会いに行く」が今年の1月に自費出版され、その「ほっこりと」「あたたかく」「そしてせつない」物語が、40代、50代を中心にFacebook上で熱い支持と共感を集めたことがきっかけで映画化へと繋がった本作。

自身も長崎出身で『ニワトリはハダシだ』(2000)以来8年ぶりのメガホンをとる森?東監督は、本作を引き受けた経緯を「まず原作者の人となりをちゃんと見てからと思った。(実際に会って)この人ならばと引き受けた」と語り、実際に原作を読んだときの印象を「よさそうだ。気楽だしすけべな話もある。そういうのもよかった」とおどけた様子で場を和ませた。

同じく長崎出身で、撮影前に共演者の加瀬亮から監督はとても怖い人と聞いていたという岩松は「今はまだ後ろから控えている感じ。まだ殴られていません(笑)」と冗談まじりに監督の印象を述べ、実際に撮影については「歌うシーンがあったのがプレッシャーだった。それが終わって今ホッとしているが、2月にもう1曲歌うシーンがあるので完璧にしなければ」と意気込みを語った。

今回岩松が演じるゆういちは、原作者の岡野雄一がモデル。タイトルにもあるペコロスは小さな玉ねぎのことで、岡野自身が自らのツルツル頭の愛称として使っている。その岡野になりきるべく、3時間の特殊メイクでペコロス頭になった岩松は「本人を前にしていうのも何だけど、鏡で見たときちょっと横の髪が多いかなと思った」と暴露すると、岡野も「髪のある岩松さんが好きだったので少し残念です」と負けじと返すなど、すっかり息もあった様子。

今回、主人公ゆういちの母親・みつえを演じる赤木は「本当の私は弱い性格なのに、これまでどういうわけか開けても暮れても気が強い姑役ばかりでしたから」と会場の笑いを誘い、「(息子役の)岩松さんはあったかい感じの方。今回は息子に優しくしてもらう母親役ができることが幸せ。楽しみにしています」と述べた。また、出演の経緯については「私は森?監督の大ファン。今までこの仕事を続けてきて一番印象に残っているのが『藍より青く』(1973)と『野良犬』(1973)(どちらも森?監督)だった。今回も監督が森?先生だったのが一番の魅力でした。」と語った。

その森?監督は1927年生まれの現在84歳。現役監督としては最長零。「非常に大変だがこれで真価を問われるんだろうと、非常に殊勝に思っています」と地元長崎での撮影について感慨深げに語り、会見は終了した。
なお、岩松、赤木の他には若き日のみつえ役で原田貴和子、若き日のゆういちの父親でさとる役に加瀬亮、ゆういちの友人役に竹中直人、同じくゆういちの友人役で喫茶店のマスター役に温水洋一が出演している。