本日9月15日(土)20時より開始されたニコニコ生放送で、映画『アイアン・スカイ』ティモ・ヴオレンソラ監督(以後ティモ)と『ガンダム』などのアニメ監督である富野由悠季氏の特別対談が実施された。ティモは子供の頃から『ガンダム』を観て育ったこともあり、今回の富野氏との対談は友人に羨ましがられたというほど、ティモにとっては夢の対談となった。

富野氏はティモを前に「飛行船型宇宙船が大好き!ライバッハの音楽が素晴らしい!」など大絶賛。そんな中、「ガンダムが好きなら宇宙戦艦ヤマトが本編内に出てくるはずが、出てない!」とクレームをいれる場面も。そこですかさずファンからは「富野ジョークw」などの書き込みが見られ、ニコ生ならではの臨場感で沸いた。しかし、すかさずティモも「実はヤマトの登場シーンはあったのだが、都合によりカットされてしまったんだ」という衝撃発言も飛び出すなど、富野監督との対談でしか聞けないような貴重なエピソードが盛りだくさんの濃い1時間となった。

Q.監督人生に於いて影響を受けた作品は?
A.『デリカテッセン』、『博士の異常な愛情』、『スターシップ・トゥルーパーズ』

Q.変わった雰囲気の音楽でしたが、どういう経緯で決まったのでしょうか?
A.劇中音楽の全てを担当したライバッハは、独特なアヴァンギャルドなバンドで、最初から彼らにやってもらうことしか考えてなかった。ヒトラーも愛した、ワーグナーの楽曲は僕の希望で入れてもらった。『ブレード・ランナー』のように、映像の上から音楽をコーティングしたかったんだ。

Q.リメイクしたい過去の映画
A.リメイクは好きじゃない。『DUNE/砂の惑星』はデビッド・リンチが好きなため、してみたいとは思う。

Q.好きな女優は?
ティモA..知性のある女性。インテリジェンスほどセクシーなものはない。
富野A.セイラ・マス

Q.ハリウッドで大作映画を作りたいですか?
A.最終目標ではない。最近のハリウッド映画であまり気に入った作品はないが、ダンカン・ジョーンズの『月に囚われた男』は気に入っている。将来的には国際製作に興味があり、日本の方やハリウッドの方もいるかもしれないが、世界中のスタッフと仕事がしたい。

富野氏曰く、「ナチスというテーマで製作まで漕ぎ着けたのが驚き。」対して、ティモは「スポンサー集めや資金集めなど苦労した」と話し、完成までの苦労を伺わせた。富野氏は「SFをネタにして、ナチスの他、人種問題などストーリーの中に問題提起をしている。久しぶりにこのような作品に出会えた。」と心底ティモに感銘を受けた様子。「ただのB級映画とナメてもらっては困る!ただ所詮SF映画。大前提として楽しんで、構えずにそのまま受け入れて欲しい。」と締めくくった。