この度、9月4日(火)に「ディア・ピョンヤン」「愛しきソナ」のヤン・ヨンヒ監督の長編デビュー作『かぞくのくに』が第85回米国アカデミー賞外国語映画賞日本代表作品に選定されました。映画評論家ら7人の選考委員が、申請のあった22作品から選出された本作は、8月4日の公開以降、観客の圧倒的な支持を受け、公開6週目の現在も好調な興行が続き、着々と公開スクリーン数を伸ばしております。
本日、9月15日(土)に、女性監督初の快挙となる米国アカデミー賞の外国語映画賞部門に日本代表に決定したことを受け、選出後、初となるトークイベントを行いました。

☆詳細☆
【日時】 9月15日(土曜日) 【トークショー時間】11:30〜12:10  
【場所】テアトル新宿 【ゲスト】 ヤン・ヨンヒ監督、安藤サクラさん、井浦新さん、村上淳さん、省吾さん

『かぞくのくに』、米国アカデミー賞外国語映画賞日本代表に決定!監督、出演者が喜びと驚きの声!
映画『かぞくのくに』アカデミー賞日本代表作決定記念舞台挨拶が15日、都内劇場で行われ、監督のヤン・ヨンヒをはじめ、出演の安藤サクラ、井浦新、村上淳、省吾(ポカスカジャン)が登壇した。

『かぞくのくに』は、病気治療のために25年ぶりに北朝鮮から一時帰国した兄ソンホ(井浦新)と、彼を迎える妹リエ(安藤サクラ)ら家族の姿を通し、価値観の違いと変わらぬ家族の絆を綴っていく人間ドラマ。日本と北朝鮮。二つの国に分かれて生きる家族のやり場のない感情が、生々しく突き刺さる本作。ドキュメンタリー、『ディア・ピョンヤン』(06)『愛しきソナ』(09)のヤン・ヨンヒ監督の実体験をもとに描くフィクション映画である。

『かぞくのくに』は、9月4日に、第85回米国アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選出。女性監督としては初の快挙で、長編デビュー作品にして選出されたヤン・ヨンヒ監督は、「ホントにびっくり!今も驚き中。」と心境を語り、「宝くじを握らせてもらっている感じ。しばし夢を見ているような気分。」と、来年の1月15日(火)に発表される5本のノミネート作品にも選出されることを心待ちにしていることを語った。
本作でヤン監督の分身的な役柄であるリエを演じた安藤サクラは「(8月4日の)公開からだいぶ時間が経ち、朝早くの時間なのにこれだけの方々が来てくれて驚いています。アカデミー賞の知らせを聞いて、未だにそわそわしています。まだ信じられない感じでいます。嬉しいです。」と喜びを語った。

監督の3人の兄を集約したような兄ソンホ役を演じた井浦新は、「この作品が映画館でロングランとなっていることは、参加している者にとってはすごい嬉しい事だし、素晴らしい事。また、こういう(インディペンデント)作品が王道中の王道であるアカデミー賞の日本代表に選出されたということは、時代が変わり始めていることのように感じます。今までになかったことだし、ものすごいことを監督がしでかしたな、と思っています。」と、公開7週目を迎えた現在も客足が途絶えないことへの喜びを述べつつ、監督をたたえた。
ソンホの同級生ジュノ役を演じ、本日が初登壇となった村上淳は、偶然のことに同じ登壇者の省吾と衣装が酷似しており、「これ(衣装がカブったこと)が一番の驚きです。まるでお笑いコンビですよね。アカデミー賞を吹き飛ばす、見事なカブり具合。」と冗談を飛ばし、会場を沸かせながら、「選出されたことが、どれだけすごいことかまだ実感が持てません。ただ、過去をさかのぼると「おくりびと」「告白」「一枚のハガキ」という作品が選出されてきた中、こういうインディペンデント映画が選出されことは、とてもすごいことだと思います。こういう作品に参加できたことを嬉しく思います。」と語った。
兄ソンホの同級生チョリ役を演じた省吾は、「1年前のあの暑い夏にみんなで頑張って作った映画が、評価されて
嬉しいです。このままの勢いで昇り竜でいきましょう。」と喜びを語った。

本作は今年2月に開催されたベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品され、見事C.I.C.A.E.<国際アートシアター連盟>賞を受賞、ほかモントリオール世界映画祭、など12の海外映画祭への正式出品も決定しており、海外での評価の高さも実証済み。ヤン監督の念願だった、韓国での公開も決定している。

また、来月の第17回釜山国際映画祭でも上映されることが決定しており、安藤サクラは「韓国の方たちがこの映画をどう見るのか、緊張しますが楽しみ」と語り、井浦新は、「アカデミー賞、釜山映画祭、ベルリンなど、世界の映画祭で上映が決定していますが、1年前は映画祭とかそういう空気はゼロだった。作品がどんどん育っていくことは、ホントに嬉しい事です。」と作品が世界で評価されていることへの喜びを語った。
続々と世界の映画祭で上映が決定していることについて、ヤン・ヨンヒ監督は「何もないゼロのところからこの作品をつくりました。今は作品によって自分が引き上げられ、作品が私たちを引っ張っていってくれているように感じています」と感慨深げに語った。

『かぞくのくに』はテアトル新宿、シネマート新宿他にて全国公開中。