昨年、10万人を動員した「したまちコメディ映画祭in台東」(略称したコメ)。今年は9月14日(金)〜9月17(月・祝)に「第5回したまちコメディ映画祭in台東」の開催が決定いたしました。「したコメ」は浅草、上野という東京随一の下町(したまち)の魅力をコメディ映画を通じて存分に味わっていただく、いとうせいこう総合プロデュースのコメディ映画祭です。

 日本映画業界に一時代を築いた「東映まんがまつり」と「東宝チャンピオンまつり」がしたコメで一夜限りの大復活!来場者の皆さんには少年少女に戻って哀愁を甦れらせながら思う存分楽しんでいただきました。フォトセッションには、したコメ総合プロデューサーである いとうせいこうと、東映のキャラクターであるペロも駆けつけました。

●実施日時:9月14日(金) 22:00〜
●場所:浅草中映劇場
●登壇:中村哲(49)(ナカムラサトシ/特撮ライター)、早川優(47)(ハヤカワマサル/映画・音楽ライター)
いとうせいこう(51)※フォトセッションのみ、ペロ(着ぐるみ)※フォトセッションのみ

■中村:特撮ライターの中村哲です。僕はバリバリの東宝チャンピオンまつり派ですね!実は東映は一回も観に行ったことがないです。『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海大怪獣』は新しい怪獣が三匹出てるんです。この年の頭には円谷監督が亡くなったので、マニアの間では“最後の正統派東宝特撮映画”と言われてるんです。最初にアポロ宇宙船を模したヘリオス7号という宇宙船が出てきますが、月面着陸した年のすぐ後だから時代を反映してますよね。
(76年春休み上映の東宝チャンピオンまつりについて)この年でとうとう怪獣映画が消えちゃいました。つらいなぁ。
この年の上映は『チップとデールの怪獣をやっつけろ』ですからね(笑)(77年の春休みには東宝チャンピオンまつりに怪獣映画が戻ってきたことを受けて)戻ってきた!でもまぁ『キングコング対ゴジラ』は2回目のリバイバル上映なんですけどね。リバイバルの2回目ですよ!(笑)
これだけのまとまった作品を暗い劇場でずっと観るのは快感になってきますよね。当時、正直言って怪獣ものは別として、テレビで観た話を、特に女の子向けアニメを観るのは辛かった時期もありましたが…。僕はずっと怪獣派だったので、最初から観ている東宝チャンピオンまつりでは、巨人の星が上映されるより、ゴジラが戦っているものが観たかったのを思い返しました。今日はこうやって呼んでもらえてうれしかったです!マニアな話しかできませんけど!(笑)

■早川:アニメと特撮のサウンドトラックCDの企画構成をやっている早川優です。僕は怪獣ものが好きなのですがどっちも好きでした。埼玉県の川越に住んでるんですけど、近くの映画館が東映まんがまつりも東宝チャンピオンまつりもかけてくれたので両方観ていた記憶があります。1970年のこの年はキンゴジ(※キングコング対ゴジラ)を初めて映画館で見た年です。リバイバル上映なんですが子どもの頃はわからないですから。新作と思って観てました。
『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海大怪獣』と『海底3万マイル』が奇しくも同じ海洋ものだったり、『アタックNO.1涙の回転レシーブ』と『ひみつのアッコちゃん 涙の回転レシーブ』と似ているタイトルだったり、この年は対決色が強いんです。1970年の夏といえばまさに大阪の万国博覧会でにぎわってる時期でしたからね。

1972年は『パンダコパンダ』が東宝チャンピオンまつりに入ってきたんですが、これは上野動物園に初めてパンダが来たことに影響受けてるんだと思います。次の年には東映も対抗して『パンダの大冒険』上映しています(笑)
あの頃ビデオもPCも何もない時代でしたが、(スクリーンが)一期一会でした。1970年代、いいものを観させて頂けたなと思いました。