日活株式会社は、日本最古の映画会社として2012年9月10日に、創立100年を迎えます。この日活創立100周年を記念し、創立月の9月に特集上映「日活映画 100年の青春」を上映致します。

長年に渡って愛されてきた日活作品を選りすぐったラインナップとなっております。なかでも吉永小百合との純愛路線で数多くのファンの支持を集めた浜田 光夫さんによる舞台挨拶が行われました。

【日 程】9月9日(日)
      12時00分〜 『上を向いて歩こう』上映開始
      13時35分〜浜田 光夫氏による舞台挨拶 聞き手:轟 夕起夫

【場 所】ヒューマントラストシネマ有楽町(千代田区有楽町2-7-1 有楽町イトシア・イトシアプラザ4F)
【登壇者】浜田 光夫

皆さん、今日はすでに映画をご覧頂いたということで、あれは私ですよ。孫じゃないですよ(笑) 当時『銀座の恋の物語』と二本立ての上映だったんですね。(『上を向いて歩こう』の脱走シーンについて)監督がすごく気に入っていた『ウエスト・サイド物語』という映画にサイレンが鳴って塀を登って逃げるというシーンがあって、「あのシーンのようにバッと塀を飛び越えて逃げろ」と言うんです。言うのは簡単だけれどもやるのは大変ですよ。向こうは踊り等で鍛えている人たちですからね。

私が18歳で坂本九さんが20歳で、よく可愛がってもらいました。忙しい方だったけれど、ある日撮影が早く終わったことがあって、「面白いところ行こうよ」と、新宿の伊勢丹の向かいにある三越に行って、屋上のペットショップのオウムに一生懸命「伊勢丹」と言葉を覚えさせたり、茶目っ気のある人でしたね。当時流行ったウエスタンジャケットをプレゼントしてくれたりしました。ドラムのシーンは大変でしたね。もちろん音は本職の人が出していますが、それに合わせて格好だけは慣れて上手く見せなきゃいけないので、何を叩いてどこでシンバルが鳴っているのかを全部覚えました。先輩の石原裕次郎さんが『嵐を呼ぶ男』でもドラムシーンをされていますが、本当に大変だったんだろうと思うぐらい苦労したのを覚えています。最後のシーンは東京オリンピックのために作られた駒沢陸上競技場で撮ったとても思い出深いシーンです。