『おくりびと』で米国アカデミー賞外国語映画賞を獲得した滝田洋二郎監督待望の最新作は、2010年本屋大賞第1位に輝いた冲方丁(うぶかたとう)のベストセラー小説「天地明察」。江戸時代、日本初の暦作りに命がけで挑んだ実在の人物・安井算哲の真剣勝負が描かれる感動作です。

本作では、主人公:安井算哲が日本初の暦づくりのために毎夜星の観測を行い、夜空を見上げていたのと同じように全国のみなさんにも夜空を見上げるきっかけを届けるため、「夜空を作ろう!プロジェクト」を公式ホームページに立ち上げ、全国から夜空の写真を募集してきました。

 そしてこの度、日本全国から投稿された夜空の写真を集めて“一つの夜空”を作る全国大会を、東京の新名所・東京スカイツリータウンのコニカミノルタプラネタリウム“天空”にて開催いたしました。当日は、映画『天地明察』のキャスト・スタッフが自ら撮影した夜空の写真も披露されました。

【登壇者:滝田洋二郎監督、岡田准一】

滝田監督:
「夜空を作ろう!プロジェクト」に参加してくださってありがとうございます。やっと映画『天地明察』が完成しました。謎に満ちた天に手を伸ばし続けた安井算哲を岡田准一くんがかっこ良く演じています。この作品の映画化を通して、空を見上げることが多くなりました。撮影中でも家の中からでもいつも見上げている空の中で、今回私も写真を撮影し、プロジェクトに参加しました。たくさんの方から集まったみなさんの空、夜空を本日は楽しみにしています。

岡田准一さん:
今回の「夜空を作ろう!プロジェクト」に自分も参加し、今日の日をとても楽しみにしていました。撮影中も空を良く見上げ、未知なる天に挑み続けました。算哲も見上げた夜空を作ろうということで、想いがこもった写真がたくさんあるのだろうと楽しみにしています。

監督、キャストのみなさんが撮影した写真を観た感想

滝田監督:(東京タワーが美しく輝く夜空を撮影)
「東京タワーが完成したのは30年代。日本は戦争が終わり、落ち着いてきて、あれから空を見上げることが多くなったと思います。僕らの世代の“希望の象徴”だと思い、東京タワーを撮りました。でも横山裕くんも東京タワーの写真だったね。(笑)笹野高史さんの写真(「イタリアの船上から見た北斗七星」の写真)はキザ過ぎですよね!似合わない!(笑)1番良かったのはややはり岡田くん=安井算哲の写真ですね。

岡田さん:(無数の星、天の川が美しく輝く夜空を撮影)
このプロジェクトに参加させて頂くと決まってから、どのような写真を撮ろうかと考えていて、自分は「安井算哲が見た夜空を撮ろう」と思っていました。南の方へ地方ロケに行った際、映画にも登場する安井算哲が見た天の川が運良く出ていたので撮りました。自分のカメラでは撮れなかったので、スタッフの良いカメラをわざわざ借りて撮ったんです(笑)

全国から集まった空・夜空の写真を見た感想

滝田監督
とてもキレイでしたね。それぞれ場所も違い、本当に未知なる世界。“自分だけの空、夜空”というのはすごく素敵です。「映画を作る」ということは「星をつかむ」ようなものです。つかんだつもりが、輝かなかったり、ほんの少し輝いたり。みなさんにとって『天地明察』がどのような映画になるか楽しみです。

岡田さん:
たくさんの想いがこもっているからか、優しい気持ちになり、ちょっとウルっとなりました。
星を眺めることは未来や希望に向かっていくことだと思います。安井算哲は、400年前の江戸時代に空を見上げ続けた力強い人です。こんなすごい日本人がいたのだと、そして日本の文化・歴史を『天地明察』を通して感じてくれたら嬉しいです。