2011年のフランス年間興収で「ハリー・ポッターと死の秘宝Part2」「パイレーツオブカリビアン/生命の泉」といった並みいる大作を押さえ、No1を記録した、GAGA配給フランス映画「最強のふたり」。東京国際映画祭でも史上初の3冠を獲得!アメリカでも本年の外国映画興収一位を記録し、早くもハリウッドリメイクが決定いたしました。

『最強のふたり』「笑う介護士」トークショー
◆日時 8月27日(月) 18:00〜   
◆場所 伏見ミリオン座(〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1丁目4−16)
◆登壇者 袖山卓也(40)

車椅子の全身不随の大富豪と彼を介護することになったスラム育ちの青年。価値観の全く違う二人の友情を描いた本作の公開を記念し、「笑う介護士」袖山卓也氏のトークーショー付特別試写会を8月27日(月)伏見ミリオン座(名古屋)にて開催した。
上映後に行われたトークショーのゲスト袖山卓也さんは、名古屋市生まれ。高校卒業後、介護業界へ入り民間のデイサービスセンターを開設し施設長務めるなど経験を積み、「有限会社 笑う介護士」を設立。今作のドリスのように既成概念にとらわれず障がいを持つ人々に接し続ける活動が話題を呼んでいる。現在は代表取締役として福祉施設のプロデュースを手掛ける一方で、多数の講演活動も精力的に行う。

元々映画がとても好きで今月だけでも劇場に足を運び7、8本の映画を観たという袖山氏。まず本作に対して「介護や医療の映画で“これいいな”と思ったのは久しぶり」という感想を述べた袖山氏は日本の介護の現状を通して作品を語った。

ドリスとフィリップの友情が胸を打つ本作だが、「日本の介護士というとまず女性という歴史があります。」とういう袖山氏。だが、フィリップが面接をした介護人はドリス含めてすべて男性という点を上げて「(フィリップがそのような面接をしたのは)単純に男手が必要だったと捉えますか?」という観客からの質問に問いかけた。「そんな単純なことではないのじゃないかと思っている」袖山氏は言う。「恋愛の感情とか全部ひっくるめて付き合ってもらおうと思ったときに、この方(フィリップ)の孤独感を分かち合えるのは男性だったのではないか。」という袖山氏の意見に会場のあちこちでうなずいている様子があった。「介護に絶対に必要なのは愛。しかし愛情だけでは介護は続かない。繊細な配慮と技術」それは被介護者の安全のためになくてはならないものであるとの説明をし「ドリスの介護はだから本来めちゃくちゃなんですよね」との介護士ならではのコメントには会場からも笑い声が起こった。「でも愛情がなくては生きている心地がしない」そして、介護において『体』と『精神』の2つに気をつければいいと思っている人が多い現状に、「心そのものに“生きてく”ということを支える力が必要になります」と袖山氏は力強く語ってくれた。

最後に、袖山氏は「今日この(作品の)笑いの中に悲しみや笑顔、いろんな感情が揺さぶられた思うが、その中で当たり前に生きてることのありがたみに今日気づいてもらえると、この映画を見た意味があるではないか」として締めくくった。会場の人々は終始介護の現場で実際に働く袖山氏の生の言葉を真剣なまなざしで受け止めていた。