この度、「ディア・ピョンヤン」「愛しきソナ」ヤン・ヨンヒ監督の新作『かぞくのくに』が、8月4日より、テアトル新宿、109シネマズ川崎ほかにて公開することが決定。
本作は世界の数々の映画祭での出品が決定しており、7月12日(木)に日本での公開に先駆け「ジャパンプレミア試写会」を開催し、ヤン・ヨンヒ監督、安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュンら豪華ゲストが登壇し、下記内容のトークイベントを行いました。

【日時】 7月12日(木曜日) 
【トークショー時間】 21:10〜21:40 
【場所】 スペースFS汐留 
【ゲスト】 ヤン・ヨンヒ監督、安藤サクラさん、井浦新さん、ヤン・イクチュンさん

世界各国の映画祭で話題!『かぞくのくに』ジャパンプレミア開催!

8月4日に公開する映画「かぞくのくに」のジャパンプレミア特別試写会が7月12日、都内で行われ、ヤン・ヨンヒ監督と出演者の安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュンが登壇した。
『かぞくのくに』は、病気治療のために25年ぶりに北朝鮮から一時帰国した兄ソンホ(井浦新)と、彼を迎える妹リエ(安藤サクラ)ら家族の姿を通し、価値観の違いと変わらぬ家族の絆を綴っていく人間ドラマ。日本と北朝鮮。二つの国に分かれて生きる家族のやり場のない感情が、生々しく突き刺さる本作。ドキュメンタリー、『ディア・ピョンヤン』(06)『愛しきソナ』(09)のヤン・ヨンヒ監督の実体験をもとに描いたフィクション映画である。
日本で初めて正式に上映となった今日、ヤン監督の分身的な役柄であるリエを演じた安藤サクラは「モデルになった監督の思いに答えようと必死だった。監督がどうにかして伝えようと思ったことがお披露目になる今日は特別な日」
と感慨深く語った。

ヤン監督の3人の兄を集約したような兄ソンホを演じた井浦新は、「監督の思いをひしひしと受けながら、いい意味でどう監督を裏切り続け、想像を飛び越えていくような役をサクラさんと共に兄と妹という関係を築きながら演じていけるか、監督と闘い続けるような毎日だった。その過ごし方というのは、なかなか経験できることではない。この映画はヤン・ヨンヒ組が一つの“家族”となって作ったもの」と撮影期間を振り返った。

ジャパンプレミアのために来日したヤン・イクチュンは、「飛行機に乗らずに海を走ってきた」と冗談を飛ばし、会場を沸かせながら、「現場にいたときは、リエとソンホの関係を見ながら、(監督が経験した)当時はこうだったのではないか、事実はこうだったのではないかと、私が現場で感じたことはこの作品に詰っています」と作品に対する自身の思いを真摯に語った。

今作が初のフィクション映画となるヤン・ヨンヒ監督は、「リエのモデルが私だったり、話のベースが私の実体験だったりしますが、私の実体験を超えるものになった。実際の本人たちが心の中に押し込んでいる、隠している感情さえも二人が演じてくれて、それを引き出す役をヤン・イクチュンさんが演じてくれた。幸せすぎるキャスティングです」と3人の演技を絶賛。

『かぞくのくに』はベルリン国際映画祭で革新的な作品や新しい映画作家の作品を上映するフォーラム部門に出品されC.I.C.A.E.(国際アートシアター連盟)賞を受賞したのを皮切りに、シドニー映画祭、スペインのグラナダ映画祭、南アフリカやスウェーデン、韓国、ロシアなど、海外の10の映画祭に出品されることがすでに決定している他、新たにモントリオール映画祭への出品も決定し、7月11日には、パリ・シネマ映画祭のコンペティション部門でブロガーの審査員の心を最もつかんだ作品に贈られる「Heart-winning film of the Blogger Jury」に選出された。また、ヤン監督の念願だった、韓国での公開も決定している。

世界各国で大反響を呼んでいる本作だが、ヤン監督は、「今日が日本での誕生日です。映画というのは観ていただいた観客のフィードバックをいただいてやっと完成する。色んな国で誕生日を迎えていますが、今日が一番大事な日本での誕生日」と、なによりも心待ちにしていた日本での上映を喜んだ。