豊田利晃監督作品『ナイン・ソウルズ』が、9年ぶりにニュープリントで帰ってきました!
板尾創路さん、渋川清彦さん、豊田利晃監督をゲストに迎えトークイベントを行いました。

MC:それではお迎えしましょう。豊田監督、板尾創路さん、渋川清彦さんです。どうぞ!!
豊田監督:今日は9 年前の映画を映画館に観に来て頂き光栄に思ってます。有難うございます。
板尾:僕も監督と同じ気持ちです。今日は雨の中・・・もっと楽しい事あるんちゃうかな・・・と思うんですが・・・そんな中、これを楽しいと思って来て頂いた方・・・大好きです。有難うございます(笑)
渋川:Ladies and Gentleman (笑)
板尾:はい。すべりましたぁ〜・・・・(場内笑)
渋川:(失笑)何か最近こういう事というか・・・結構やらされたり、するんですよ・・・・
板尾:急にそんな事されたら、ビックリするわ!
渋川:すみません(笑)僕にとって「ナイン・ソウルズ」は一番なんです。そんな作品に来てくれて有難うございます。

MC:「ナイン・ソウルズ」は一番最近観たのはいつ頃ですか?
板尾:DVDで・・・2 年前くらい前に観ました。
MC:印象的なシーンについて
板尾:雨の中、原田さんがずっと走っているシーンがあるんですが、当時芳雄さんが、「なんで虎吉は、なぜ雨の中走るんだって」って言ってて・・・何かすごく怒ってて・・・・それがすごく印象的で。
僕はそのシーンにはかかわってなかったんですが、確かに一番最初に観た時は、何とも思わなかったんですが、何度か公開時に映画館で観た時にあ〜この虎吉の雨の中走るシーンは、いいシーンだなぁ〜って。
機会があれば、原田さんに言おう言おうと思っていたのに・・すごく意味のあるシーンで・・・・
すごく好きなシーンなんですが、本人は何故、虎吉はあそこで走るってずっと言ってて・・・
原田さん自身が、今、どう思っているのかなってすごく知りたいです。

MC:渋川さんはどうですか?
渋川:よく昔の自分はどうだったのかって見直した時があって僕も確か2 年前位に一度観た覚えがあります。
板尾:それってどうやねん!
渋川:いや、自分がどう成長したかの意味もあって見直したりするんです。一番印象的なシーンは田んぼのシーンです。田んぼの中で龍平と芳雄さんがワンカットでやっている時にまだ春先で寒くて皆で田んぼの所に横になってたら、、、
板尾:田んぼの中で泥だらけになるシーンの後、泥だらけで着ているものもぬれているのにスタッフの人が心配して毛布をかけたら、「ぬれてる服の上に毛布かけたら余計寒いだろ!」って怒ってて・・・見てる人は、寒いから暖めてあげようと思ってるのに・・・・震えながら、怒ってました。
渋川:そんな姿を監督はニヤニヤしながら、いいシーンが撮れたって喜んでた。
板尾:なぁ。そうそう。そうやった。
監督:笑。あの時芳雄さんに「憶えておけよ!」って言われ、すごく怖かった。

MC:原田さんとの現場でのエピソードはありますか?
渋川:俺がいなくなるシーンで・・・(何か改心)のシーンだったんだけど、そのシーンを自分で観たら全然それが伝わってこなくて・・・自分の中で、もやもやした気持ちが残っていて、その日の打ち上げで酔っ払って芳雄さんに「俺、全然わからないっすよ」って言ったら、芳雄さんが「俺だってわかんねぇよ」って言われて・・・だから、あれだけ長くやってる人もわかんないんだったら、いいのかなって思えて・・・その言葉に救われました。その時の事は今でも憶えてます。

MC:撮影日誌の中で当時、10 カットぐらい撮るシーンを当日2 カットぐらいに変更されたと、ありましたが、確かそのシーンの渋川さんが撃たれるシーンの事、憶えてますか?
渋川:憶えてますね。確か「あんたに俺の気持ちなんか」っていうシーンだったと思いますが、もともとなかった台詞を監督が俺に言えって・・・最後に芳雄さんがどう言うか・・・シリーズです(笑)
どっきりを仕掛けるっていう・・・

MC:板尾さんにもありましたか?
板尾:ありましたね。僕が去るシーンで、アダルトビデオ渡して「こんな男でも結婚できますかね?」って言う台詞はなかったんです。それも、監督に直前に言えって言われ、芳雄さんがキャンピングカーの横に乗って言ったのを憶えてます。
監督:よく憶えてるね〜(笑)
板尾:当時、原田芳雄さんとお芝居するって、ちゃんとリハーサル通りやろうとする後輩の役者の気持ちなんてわからへんやろ。(場内笑)怒られたらどうしよう・・思うよなぁ〜。(板尾、渋川うなずく)

MC:監督の演出意図なんでしょうか?
監督:いや、必要だと思ったからそうしたんです。でも、芳雄さんだから、こうしようと思った理由ではなく、対等でありたかった。下からいくのはいやだったので・・
板尾:確かに他のキャストはまだ若くぺエペエだったからね〜それでちょうど良かったかもしれないです。今、思うとね・・・
監督:どうやって変えてくるのかなって楽しみがありましたよね〜
板尾:あった(笑)でも、ドキドキもしたなぁ〜
監督:皆で喫茶店で食事をするシーンで「あなたの夢はなんですか?」って言うシーンで「そんなもんねえよ」って芳雄さんが即答で返すシーンで横にいるジュニアがじろって見るのがそうアドリブでした。

MC:板尾さんは、「ナイン・ソウルズ」が初めての映画出演作でしたが、豊田監督と一緒に仕事してみて豊田組の魅力はなんでしょうか?
渋川:言葉にできない。空気みたいな。人間が面白いからだと思います。
板尾:僕は「ナイン・ソウルズ」が本格的な映画出演だったんですが、その時に映画ってこういうものなんだぁ〜って思いましたけど、他の組行ったら、全然違うし・・・あんまり、監督は言ってこないので、自分で思うようにできたのか・・・試されてるのか・・・常に見られてる感じがします。人間そのものを引き出されるというか・・・怖い気がします。

MC:今度は逆に監督からお二人の魅力についてお願いします。
監督:僕は学生時代から板尾さんのテレビをずっと見てたのでそんな方に自分の映画に出てもらえるなんてすごく嬉しかったです。渋川さんは、東京ラブっていう写真集を見てそのうちの1 枚のポストカードを自分の部屋に貼っていたら、偶然、オーディションに来て・・・「ポルノスター」です。
好きな人、尊敬できる人と僕は、仕事してる感じです。
板尾:「ナイン・ソウルズ」だけじゃなく新しい作品「Iʼm Flash」も僕たち出てるのでそちらもお願いします・

舞台挨拶は終始板尾節の効いたトークイベントでした。
渋谷ユーロスペースにてニュープリントで上映中!!