6/21(木)より開催されました20th アニバーサリー フランス映画祭において、ギャガ配給作品、『最強のふたり』(9/1より全国ロードショー)がオープニング作品として上映され、本作の監督を務めましたエリック・トレダノ監督とオリヴィエ・ナカシュ監督が来日し、上映後に観客とのティーチインをおこないました。

上映中、満席状態の有楽町朝日ホール(770席)は、終始、笑いの渦に包まれ、感動のラストシーンでは、すすりなく声が会場内に響きました。上映終了後は、観客から海外映画祭さながらのスタンディングオベーションが巻き起こり、非常に満足度の高い上映会となりました。

上映終了後の監督ティーチインでは、多くのお客さんの質問に対し、エリック、オリヴィエ両監督は、本編の主人公、<最強のふたり>のようにウィットに富んだジョークを交えて答え、会場を沸かせました。
本作、『最強のふたり』はフランスで2011年興収No1、フランス映画史上歴代2位となったメガヒット作。ドイツ、オーストリア、韓国などでも大ヒットを記録し、各国でフランス映画歴代No.1の興収を樹立し、9月の日本公開にも期待が高まっております。

日時:6/21(木)20:00
場所:有楽町朝日ホール
登壇者:エリック・トレダノ監督、オリヴィエ・ナカシュ監督

【質疑応答】

MC:満席の会場のお客様に一言お願いします。
エリック監督:皆様にこうして映画を見ていただくことができて大変感動しております。開場の隅で、皆さんの反応を見ておりましたが、すごく楽しんでみていただいたので胸が熱くなりました。
オリヴィエ監督:何度観ても感動する映画ですね(笑)フランスから遠く東京に来て、皆さんに泣いて笑ってもらって、とてもうれしいです。

観客:この映画は実話を基に作られたそうですが、経緯を教えて下さい。
オリヴィエ監督:2003年に、(映画のモデルになった2人の)テレビドキュメンタリーを夜、2人でホテルで見ていたんです。私たちは、実際に、普通は出会わないような2人が出会う、そのドキュメンタリーにとても感動したんです。これまでに3本エリックと一緒に撮っていた長編があったんですが、この話を僕らの4作目にしようと決めました。本当に可能性がある映画だと思ったんです。

観客:モデルとなったお2人は、この映画を観ましたか?
エリック監督:もちろん。完成し、関係者に試写をする前に、真っ先に見てもらいました。全身まひのフィリップのモデルの方は「両手で拍手をしたいです」とジョークを言い、ドリスのモデルになったアルジェリア人の方は「僕って本当は黒人だったんだ」と言っていました(笑)二人とも、この映画をとても気に入ってくれ、我々にとっても、彼らにとってもとても感動的な時間でしたね。

観客:主演2人の掛け合いはとても面白く感動しました。実際のモデルに忠実な部分、脚色した部分を教えて下さい。
エリック監督:二人の出会いの場面や、二人とも女性好きというエピソードは、本当の実話です。絵画のくだりや、オペラ鑑賞するシーンはコミカルにみせるための創作です。二人の間のユーモアや辛口なやりとりは実際のものに少しだけシナリオを加えてより感動的にしました。オマール・シーの方が実物よりダンスがうまいですよ(笑)

観客:私はフランスに住んでいたことがあり、この映画は人種問題などフランスの実情がリアルに描かれてると思いました。日本のフランスのイメージはアラン・ドロンの映画のようなイメージですが、こういうリアルを描こうと思った理由は?
オリヴィエ監督:今、ヨーロッパは経済危機など、さまざまな問題を抱えています。かつてのヒーロー像は超人的で人間離れしたものが多かったが、今の人々に受けるヒーロー像は、リアルで普通の人間。本作の主人公2人は、障害や、移民の問題で社会から排除された人間。だれも、そういう境遇になりたくないと思ってるが、その「怖い」とか「不安」という気持ちの上に「笑い」を入れることで、彼らがリアルなヒーローに見えるんです。それがヨーロッパで受け入れられたのではないかと思います。

観客:2人で監督するのはどういう感じでしょうか?
エリック監督:意見は常に食い違い、撮影中は死闘を繰り広げ、ボクシングでなぐり合いました(笑)
オリヴィエ監督:そうなんです。でも、実際はほとんど僕一人で作りました(笑)
エリック監督:いえ、作ったのは僕です。この人はコーヒーを入れるだけでした(笑)
オリヴィエ監督:それは冗談ですが、思春期のことから自然と2人で一緒にやるようになりましたし、今後も2人で映画を作り、次の計画もありますよ!