6月16日、山梨県立まきば公園にて、映画公開記念、東北復興支援「映画のチカラで、森を元気に。」キャンペーン記念植樹のセレモニーを行いました。当日は公益社団法人国土緑化推進機構副理事長谷福丸さん、吉沢悠さん、田中要次さん、高橋判明監督らが参加。皆川林野庁長官からのメッセージも読み上げられました。映画の冒頭シーンで浅川巧が、朝鮮に旅立つ際、1本の”ヤマナシ”の巨木の前で友人との別れを惜しむ印象的なシーンにちなんで、同じ”ヤマナシ”の樹を植樹しました。

■吉沢悠さん

今日は白磁のような白い霧に包まれまして…。僕は人生何でも意味があると思っています。今日は浅川巧さんがこういうシチュエーションを用意してくれたんではないかと思います。まさか私たちの作品が東北の復興支援という事で関われるとは思っていなかったので、このような形で関わることが出来てとても嬉しく思っています。先日、高田松原の鈴木さんに植樹をしている時に感じた心とこれまで浅川巧さんが一歩一歩前へ行動してきた事は、今、自分達のやっている事と繋がっているものがあるのではないかという話を聞きました。僕たちは、浅川巧さんのいた時代を映画を通して表現しましたが、まさかこういった事で繋がるとは思っていなかったので、映画というのは今生きている人間に大きな影響を及ぼすエンタテイメントなんだと改めて知る事ができました。今日、ヤマナシを植えますが、未来の子供達に向けて何かできる事を嬉しく思っています。ありがとうございました。

■国土緑化推進機構 副理事長 谷 福丸さん

本日は東北の復興支援という事で「映画の力で森を元気に。」のキャンペーンを映画「道〜白磁の人〜」の製作員会、出演者の方々に多大なるご協力を賜りまして熱く御礼申し上げます。有難うございました。私も映画を拝見いたしました。私は筑豊という筑豊鍛錬という炭鉱町で生まれ育ちました。また、戦前、戦後はそこに多くの強制労働で働かせられる朝鮮の方たちがいて特に戦後は、多くの日本人が蔑視するのを見ている環境の中で育ちました。この映画を観て浅川巧が韓国の日常の生活の中に美しさを見出し、尊敬し、何の屈託もなく韓国の人と接し交わっていく事に大変感銘を受けました。この映画が多くの人に観て頂く事を願っています。今日、植樹をしますが、山梨県と緑化推進機構とは大変深いかかわりがございまして、植樹の原点と言えると思います。戦後、当時は荒廃した山ばかりでした。第一回の植樹は昭和25年に天皇、皇后陛下をお迎えしまして、それ以来ずっと植樹は続けられています。私共国土緑化推進機構と致しましては、今回のこの植樹は何かのご縁と思っております。どうぞ宜しくお願い致します。

■林野庁長官 皆川さんからのメッセージ

残念ながら諸般の事情により本日の記念植樹に出席する事は叶いませんでしたが、映画「道〜白磁の人〜」に推薦に込めた林野庁の想いを改めてお伝えしたいと思います。本作品の舞台となった韓国の荒れ果てた山は、まさに昨年3月11日の東日本大震災によって壊滅してしまった東北の海岸林そのものだと感じました。かつて白砂青松と謳われた松原は、今は見る影もありません。人々は松原は精神文化の一部だった事に改めて気づき、真の復興は海岸林の再生なくしては、有り得ないこと思い知りました。浅川巧が数々の苦難を乗り越え、韓国の山々に緑を取り戻していったように我々も今後、何十年、何百年かけ美しかった松原を取り戻さなければなりません。私は、林野庁として推薦した事が少しでも、映画館に足を運んで頂き緑の再生に取り組む事の尊さに気づいて頂くきっかけになればと願っております。「道〜白磁の人〜」は素晴らしい作品であり、必ずや大成功すると核心しております。山梨県、北杜市、本日ご参加された皆様のご活動がここに植えられた木と共に発展していく事を願っています。有難うございました。

■田中要次さん

この映画を通じて植樹に参加できた事に対してこの役割にすごく責任を感じます。学生時代に何も考えず林業高校に入って卒業し、何かその時代へ呼び戻されたそんな感じがします。今日植樹した木も何年後かには様子を見に来なくてはいけない気がしてます。木を植えるというのは、すぐに結果が出るわけではないので、未来に向けて僕らがやらなくてはならないと責任を感じています。

■高橋判明監督

今日植樹をしていて浅川巧が「大きくなれよ〜」というシーンがあるんですが、そのシーンを思い出しました。木を植えるというのは何年も先を見据えて植えなければならない事だと思います。今、生きている自分達が何十年先の時代に生きている人達に残せる、何かメッセージを伝えられる人間にならないといけないと思いました。