MC:お二人いらっしゃっていますので、ここで皆さんからの質問を受けたいと思います。
質問ある人、手を上げてください!(多くの手が挙がり)みんな元気ですね〜。

生徒:妻夫木さんにとって「映画」とは何ですか?

妻夫木さん:すごい難しいな〜。もっと軽い質問が来ると思ってたんですが。
そうですね、僕にとってやっぱり生きがいですね。役者という仕事は、自分の人生にとって一番大きな出会いだったので、映画はやはり生きがいかな、と。

生徒:映画を観てもろに感動しました。良かったです!
僕はラグビー部なんですが、お二人は高校時代、どんなことをしていたんですか?
三池監督はラグビー部だったと聞いたんですが、どうでしたか?

三池監督:中学校でラグビーをやっていて、ラグビー推薦ではないけれど、普通科でラグビー部が2人いました。そのとき、野獣のような先生がいて(笑)、さらに全国からすごい選手が集まっていて、そこでビビッたんですよね。
これはまずいと思って、夏の合宿前に辞めました(笑)。

妻夫木さん:僕は高校のときはずっとバンドをやってましたね。
(生徒へ)ハイスタンダートってわかります?
当時、ハイスタが流行っている時期で、そのコピーバンドを3人でやっていました。

生徒:こんにちは。映画すごく楽しめました。ありがとうございました。
お二人は仕事をするにあたって、一番大切にしていること、一番心に決めていることは何ですか?

三池監督:僕がいたころとはずいぶん違う学校になってるな〜(笑)。
高校に入ってラグビーは好きだったんだけど、レベルが違うというか、すごく現実を感じたんです。
それでもがんばるという手もあるんだけど、なんというか、逃げたんだよね。
理数系ができたわけではないので、バイクを乗ったりしてちょっとドロップアウトしていったんですが、なんとか卒業だけはして、そんな自分でも行くところがあって、そこが無試験で入れる映画の学校だったんですよ。そこにまた逃げこんだんですよね。
そうやってずっと現実から逃げて逃げて、自分が社会人になるときに暇な生徒がいたら、手伝いで撮影現場に寄越してくれという話があったんです。
それまでずっと逃げていた自分が流れ着いて生きる場所が映画の現場だったんです。
映画の現場で、今抱えてる問題から逃げずにコツコツ将来の自分のためにがんばる、将来の自分のために楽しむことを知っていたんだと思います。
10年、20年たって映画監督になって、どんな仕事がきても自分に向いている向いていないを考えずに、声をかけてくれたんだから、自分からやらないという方法は取らないと決めました。
だから生徒の皆さんも明日の試験からは逃げられない(笑)。
悪い点数で「ほら、前日に『愛と誠』なんか観るからだ」なんて言われないようにがんばってね!

妻夫木さん:そうですね。高校の時はバンドやっていて大学は適当に行って遊びたいなと思ってたんですがたまたま芸能界に入ることになって、結構ナメてたんですよ。
誰でもやれるもんだと思っていたし・・・でも、芝居をやってみて初めて自分は何もできないことがわかって、本当に情けなくて悔しくてそこからがむしゃらにやって、生きがいを感じるようになりました。
やり始めたころは、新鮮で楽しかったけど、30歳を超えて特に感じるのは苦しみですね。
ただ楽しいだけではもうできないなと。ある程度いろんなことを知った上でそれをゼロに戻してやる苦しみというか、悩みながらやることも大事なんだなと感じています。
楽しいから向上心がもてて前に進めることもあるけど、失敗することを恐れずに前に進むこと、這い上がることを自分の中で改めて今かみしめています。
初心を忘れずに、ということを今は一番大事にしています。
皆さんもいろんなことに好奇心を持っていると思うし、将来の何になりたいかはっきりしていない人もいると思うけど、それで良いと思います。
怖がらず、失敗を恐れずにトライしてもらえたらうれしいです。

生徒:今後生きる上で参考になりました。(場内笑)

生徒:映画では妻夫木さんと武井さんが、あの・・・密着したりするシーンがあるんですが、その時思ったことはありますか?(場内笑)

妻夫木さん:すごい直球ですね(笑)
密着して感じたことはですね・・・かいつまんで言うと、不純な動機でいっぱいですね(笑)。
なんて感じながら仕事していたら捕まりますね(笑)。
でも、咲ちゃんは本当に高校生とは思えないような人で、咲ちゃんの胸ぐらをつかむシーンがあるんですが、胸元もあるから気を使うでしょ?でも「気にせず来てください」って言うから、当時30歳の僕が高校生に「スイマセン」って言って(笑)。
でもまぁ、一応は気を遣いますけど、芝居している時ってあんまり感じないですね。
期待した答えじゃなくてすまん!(笑)
(質問した生徒へ)自分が密着したらどうなると思う?

生徒:理性が・・・理性がちょっと。(場内爆笑)

MC:まだまだお話をお聞きしたいのですが、そろそろお時間となってしまいました。
ここで生徒代表より、お二人にプレゼントを贈呈いただきます。
お渡しいただくのは・・・常翔学園の『愛』と『誠』!
小川 誠(おがわ まこと)さん、幾間 愛(いくま あい)さんです。
誠くんと愛さんからは、花束と今日ここに来られなかった早乙女愛役の武井咲さんへのラブメッセージボードをお渡しいただきます。

MC:(生徒の)愛さん、映画はいかがでしたか?

幾間愛(生徒):良かったです。楽しかったです。
アクションも一層激しくなっていて、それでいてドラマもあってすごく面白かったです。

MC:実は小川誠さんのお名前には驚きのエピソードがあるんですよね?

小川誠(生徒):この映画のCMがテレビで流れて、そしたらお母さんに「あんたの名前、この映画から取ってんで」って言われました。

三池監督・妻夫木さん:すごいですね!

MC:お二人はこれから、今夜東京で行われるジャパンプレミアへ向かわれますが、三池監督と妻夫木さんには、東京で待っている武井咲さんに責任をもってこのラブメッセージボードをお渡しいただきたいと思います。
(客席の生徒へ)皆さんにも、この後、教室で武井さんへラブレターを書いていただきますので、監督、妻夫木さん、500枚ぐらいで重たいですが、武井咲さんに持っていってくださいね!
それでは最後にお二人から、現役高校生の皆さんにメッセージをお願いします。

三池監督:本当に今日は朝からありがとうございました。いい思い出になりました。
映画を作って、こうやって自分の卒業した学校に戻って、次の世代の人たちに観てもらって楽しんでもらえることができて、この学校出身で良かったです。
将来、今日のことを思い出すことがあったら、この映画と一緒に思い出にとどめていただけたらうれしいです。
またどこかで会いましょう。今日はどうもありがとうございました。

妻夫木さん:いろいろこれからあると思いますが、失敗を恐れず、どんどん前へ進んでいってほしいと思います。
よかったらこの映画を友達に広めてもらえたらうれしいです。
6/16からなので、よかったらまた観に行ってください。
ありがとうございました。