東北が生んだ国民的作家 宮沢賢治は37年の短い人生の中で、三陸沖地震や大規模な冷害に何度も見舞われながら、厳しい環境の中でも故郷を愛し、〔理想郷=イーハトーヴ〕を作品に描きました。
昨今、賢治作品には、世代を超えて改めて注目されていますが、原作発表から80年を経て映画化された本作は、見るものすべてに限りない勇気と感動を与えてくれます。

この度、本作にて声優を務める小栗旬さん、忽那汐里さん、草刈民代さん、そして杉井ギサブロー監督、音楽担当の小松亮太さんを迎えてみずみずしい自然豊かな本作生誕の地、岩手県花巻市にてジャパンプレミアを行いました。

映画『グスコーブドリの伝記』 ジャパンプレミア 概要

■日時:6月12日(火)
■場所:岩手県花巻市 ポランの広場&花巻農業高校
■登壇者:小栗旬、忽那汐里、草刈民代、杉井ギサブロー監督、小松亮太(音楽担当)

岩手県花巻市の「ポランの広場」に到着した、主人公ブドリ役の小栗旬さん、ブドリの最愛の妹ネリ役の忽那汐里さん、ブドリの母役の草刈民代さん、杉井ギサブロー監督の4名は小松亮太さん(本作の音楽担当)と花巻の幼稚園児のみなさんによる本作の主題歌「生まれ来る子供たちのために」コラボレーション生演奏で迎えられ、心温まる歓迎セレモニーとなりました。

幼稚園児からキャスト・監督へ花束プレゼントのあと、花巻市・大石市長より一言ご挨拶とともに小栗さんを「一日賢治課 課長」に任命、さらに宮沢賢治が愛用した帽子のレプリカを小栗さんに進呈いたしました。

その後、ジャパンプレミアの会場である宮沢賢治の母校である花巻農業高校では、生徒たちが世界でもっとも早く本作を鑑賞し、上映後にサプライズでキャスト・監督らが登場すると、生徒たちからは割れんばかりの歓声があがり、熱気に包まれた舞台挨拶となりました。

作品のメッセージを受け取った生徒たちとの質疑応答では、時間内に収まりきらないほど多くの質問と感想が寄せられ、本作に対する熱い想いが感じられました。

【歓迎セレモニー】

〜小松亮太さんと花巻の幼稚園児によるコラボレーション演奏〜

MC:演奏のご感想と、一言ずつご挨拶をお願いいたします。

小栗さん:すばらしい!心洗われました。ビート刻んでしまいましたね。
機会があれば来たいと思っていたので、今日来られてよかったです。
大自然の中で気持ちよい場所で、リラックスできました。

忽那さん:聞き入ってしまいました。可愛かった。宮沢賢治の原作はこの土地に来てみないと想像できない部分があったので、来られてよかったです。

草刈さん:映画を観て小松さんの音楽がとても素晴しかったので、今日は生で聞けて、しかも子どもたちも参加してくれて本当にうれしいです。

杉井監督:小松さん、子どもたち、ありがとう!
賢治のふるさとに来て、しかも自然の中で、小松さん、子どもたちの演奏を聞けて、感激です。

〜幼稚園児からキャスト・監督へ花束贈呈〜

MC:続きまして、花巻市・大石市長より、一言ご挨拶をお願いいたします。

大石市長:賢治の町、イーハトーヴにお越しくださいましてありがとうございます。
「雨ニモ負ケズ」という詩は、3.11の震災以降、世界中で紹介されました。
そっと寄り添い、人を想い合う大切さをしらせめてくれた詩です。
人を思いやる町づくりをしようと「賢治課」を設置いたしました。
その矢先に、『グスコーブドリの伝記』が映画化されるということで市民はみな喜びました。勇気を与えてくれる作品だと思いますので、期待しております。
小栗さんには今日、ぜひ「賢治まちづくり課」課長を務めていただきたい!
小栗「賢治まちづくり課」課長、誕生の証として、ブドリの帽子をプレゼントします!

〜市長から小栗さんへ宮沢賢治が愛用した帽子のレプリカを贈呈〜

MC:小栗さん、一言いただけますでしょうか。

小栗さん:非常に光栄です!小栗「賢治」として、賢治が愛した岩手の土地を一日ですが、映画とともにPRしたいです。

【ジャパンプレミア】

〜上映後、キャスト・監督らがサプライズ登場〜

MC:お一人ずつご挨拶をお願いいたします。

小栗さん:まんず、花巻さ来るごとできだじゃ(ようやく、花巻に来ることができたな〜)
みなさん、映画は楽しんでいただけましたか?
熱気ムンムンの体育館ですね。短い間ですが、よろしくお願いいたします。

忽那さん:本日はいち早くみなさんに観ていただき、
うれしく思います。よろしくお願いいたします。

草刈さん:こんにちは、よろしくお願いいたします。

小松さん:映画の中の音楽はすべて作曲し、演奏をしています。
よろしくお願いいたします。

杉井監督:賢治が教鞭をとっていた学校にこられて感激です。
今日は小栗「賢治」さんといっしょに来ました!

MC:本日は、原作者の宮沢賢治が教鞭をとった「花巻農業高等学校」でのジャパンプレミアとなりました。この地で完成披露試写を行うことについて、どう感じられますか。

小栗さん:僕らは作品を通して、イーハトーヴに触れてきたけれど、その場所で、映画を観てもらえたことがとてもうれしいです。
「賢治まちづくり課」一日課長として、この帽子をもらったのですが、ずっとかぶっていたいです(笑)。
先ほどもみんなで話していたんですが、賢治さんの授業はとても楽しかったんだろうなと思います。

忽那さん:ずっと海外育ちで、日本は高校からなんですが、教科書にも「花巻農業高校」と出てきて、テストのために暗記しました。
その学校に来ることになるなんて、思っていませんでした。

草刈さん:歴史のある学校で映画が上映され、それを体験できた
みなさんがうらやましいです。

小松さん:東京生まれ東京育ちの僕からすると、賢治に勉強を教えてもらっていた生徒がいたんだなと思うとすごいですね。

杉井監督:27年前の『銀河鉄道の夜』の映画化から、久しぶりに花巻に来ました。
ただ、この学校は初めてです。こういう自然の中で、賢治が作品をつくっていたと思うと感慨深いですね。

MC:ブドリ、ネリ、そしてブドリとネリの母を演じられた際に、ご自身のご家族への想いやご自身のふるさとへの想いなど何か感じられたことはありましたか。

小栗さん:うちは仲のよい家族なので、自分とまったく違うブドリのようになったらどうなんだろうと思ったり・・・映画の主題歌でもやはり、未来に生まれ来る子供たちのことを考えたりします。

忽那さん:海外育ちで自由に過ごしてきましたが、今日本で環境が変わり家族の気遣いを強く感じます。この支えを絶対になくしたくないと思っています。

草刈さん:子どもたちへの愛情から来る重みのある一言ひとことを、セリフとして伝えることが今までにない経験でした。

MC:本作の世界観を音楽で創り上げるうえで、気をつけられた点はありますか。

小松さん:監督が繰り返すおっしゃるのは、悲しいと同時にブドリが勇気を持って生きていく話ということ。曲も悲しみだけでなく、ブドリの前向きさ、誠実さへの応援歌のつもりで、いろんな楽器を使ってつくりました。

MC:本作を創り上げるまでの苦労や、本日を迎えるまでのお気持ちをお聞かせください。

杉井監督:震災があって、自然と人間の関係を考えさせられ、僕らができることはこの映画をきちんと作り上げること、賢治の想いを伝えることだと思いスタッフみんなで力を出し切りました。

〜生徒たちとの質疑応答〜

生徒:映画最高でした!感動しました!
みなさんの思い入れのあるシーンを教えてください。
また、僕は声優になりたいと思っているんですが、どうやったら入れますか?

小栗さん:トマトスープを家族みんなで食べているシーンですね。
それを取り戻したくて、ブドリが頑張っているので、心に残ります。
声優は、どうしたらなれるんでしょうね(笑)。オーデションとか受けるのかな。

忽那さん:手ぐす工場のシーンですね。映像がすごくきれいなんです。
声優は私も初めてなので、何もアドバイスできず申し訳ありません。

草刈さん:ラストシーンですね。もとの生活に戻るというところがこの映画のすごいところだと思います。

生徒:本当に感動しました。どうしたら、みなさんのように格好よく、またキレイになれますか?秘訣を教えてください。

小栗さん:何もしていないです!格好いいと思ってくれたなら、両親に感謝ですね。

忽那さん:私も何もしていないです。(生徒から「エー!!」という声)

草刈さん:3年前までバレエをやっていたので、その貯金かなと思います。

MC:最後に、みなさんを代表して小栗さんからメッセージをお願いいたします。

小栗さん:花巻からこの映画をスタートできたことはとてもうれしいです。
ここから全国に届けていきたいと思います。みなさんもぜひ周りの人に薦めてくださいね。