堤幸彦監督が「死ぬまでに自分の納得する作品を年に1本くらいは残したい」と思い、その記念すべき1作目であるモノクロ映画『MY HOUSE』がいよいよ、初日を迎えました。
舞台挨拶には堤幸彦監督と本作品の原作者で「0円」で家を建てるという斬新な考えを世の中に提唱し、注目を集める建築家で作家の坂口恭平、そして本作品の脚本を担当し、主人公と共に路上で生活する“先生”を演じた佃典彦も名古屋からかけつけていただきました!
撮影の裏話はもちろん、ものにあふれた暮らしの中で、本作品のテーマでもある“本当に必要なもの”とは何か
など、いろんなジャンルで活躍している3人の多岐にわたる話が聞けました。

【日  時】 5月26日(土)
【場  所】新宿バルト9 シアター2

堤 幸彦監督
ここ数年、娯楽作品をやらせていただくことが多いのですが、今回は娯楽色が全くない作品を作ろうと思いました。それを人々に伝えていくのが大変でした。企画途中で規模を大きくするという案もありましたが、単に人を呼ぶために規模を大きくするのは作品に手を加えたりすることも多い。1回それを0にして初心に帰って、最初、新幹線で坂口さんの記事を見たときに思い描いたストーリーが今回見ていただいた完成品とほぼ同じです。
色ない、音ない、セリフないそして芝居をさせない、とないない尽くしで逃げる要素を外して勝負しました。
いろんな想いが詰まっています。観る人によって違う見え方も違うでしょうし賛否両論があるということもわかっていますが、もし少しでも観るべきと思ったらご友人、ご家族に勧めてください。

坂口恭平(原作者)
あの一本の電話からこんな映画の公開になるとは。。!どこからが夢でどこからが現実かわからなくなっています。すごい面白いことになると思うのでよろしくお願いします!!(モデルになった路上生活を送る鈴木さん達)彼らは、実は僕たちが気づかない色々なことを知っているんです。社会システムに従って「Yes」というだけではない。彼らは真剣ですから生きる、っていうことだけで見ていくと浅草が浅草じゃなくなっていくんです。

佃 典彦
この3人で隅田川の鈴木さん宅にお邪魔して、初めて路上生活をされる方のお家の中に入り、色々知らないことを垣間見て、今日こういったかたちで僕の知らなかった世界が展開していくというのは僕自身嬉しいことだなと思っています。監督から構想を聞いて脚本を書いて、セリフが多いと言われ、削ったけれどまだ多いと言われて、さらにそぎ落として書いて。。。完成を見たらもっと減っていました(笑)(監督「ごめんなさい。。(笑)」)