第65回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式招待作品『ライク・サムワン・イン・ラブ』の公式上映が、いよいよ日本時間の22日(火)AM5:00(現地時間21日(月)PM10:00)におこなわれ、アッバス・キアロスタミ監督、日本人キャストの奥野匡、高梨臨、加瀬亮がレッドカーペットに登場しました。
本作は、カンヌ国際映画祭でパルムドール、ヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞した世界的巨匠、アッバス・キアロスタミ監督が日本を舞台に撮りあげた最新作です。

『ライク・サムワン・イン・ラブ』監督&キャスト カンヌでのコメント

●本作の製作について
堀越「2004年に来日した時に今回の核となるアイデアを聞かせてもらった。それからずっと映画にできるかどうか考えていたのだと思うが、一昨年の釜山映画祭で監督から、こういう話を実現したいと伺った」

●キアロスタミ監督について
奥野「台本が無い映画は初めてだったのでびっくりしました。監督からは、芝居をしてはいけない、演技をしてはいけない、自然にやってくれと言われて。役者が計算したりすることを嫌うので。だから僕みたいななにもできない人間のほうがよかったのかもしれないですね」

高梨「役作りを全くしないでくれと監督から言われていたので、作品に先入観なしで、自然にしゃべってる感じでのぞめました。それでも、監督の『10話』という映画だけは観ました」
「タクシーの中で留守電を聞くシーンでは(留守電の内容も)そのとき初めて聞いたので、その時の感情でお芝居ができました」

加瀬「監督の大ファンだったので出演できてとてもうれしかった」
「役にあたって、監督から言われたのは髪とひげを伸ばせということだけでした」

●日本映画について
キアロスタミ「映画に興味を持ち始めたころテヘランのフィルムライブタリーで多くの小津の映画を観た。その後何年も観ていなかったが、映画監督になって、日本の偉大な映画監督たちから大きな影響を受けていることに気づいた」
「様々な理由からイラン国外で映画を撮っている。前から日本で映画を撮りたいと冗談半分で言っていたが、まさか実現するとは思わなかった。いざ撮影を始めると日本人は私たちイラン人と似ていると思った」

● 本作の結末について
キアロスタミ「この映画には始まりもなく終わりもない。だが現実に、始まりと終わりのある物語なんてない。だからこの映画を見た人は、登場人物たちがこの後どうなるかを想像できると思う。また自分の物語の始まりはなんだったかと思いをめぐらすだろう」

● レッドカーペットを歩いてみて
高梨「夢を見ているみたいでした。
夢なんじゃないかと思いました。
と思っている間に終わりました。
もう何もかもが夢でした
そして、みんなで歩けたことが幸せでした」