映画『世界最古の洞窟壁画 35mm 忘れられた夢の記憶』(5/12(土)よりシアターN渋谷ほか)の公開記念イベントが、本日、新宿(ネイキッドロフト)にて開催されました。トークゲストに、アイドルライターの小明(あかり)さん、映画監督の松江哲明さん、放送作家の町山広美さん、映画評論家の村山匡一郎さん、翻訳家の江口研一さんらを迎えた約2時間、話は、洞窟壁画、ドキュメンタリー演出論、3D映画、デジタルシネマと35mmフィルム、など多岐に渡り、さらにはゲストそれぞれが“ヘルツォーク 我が最愛”話を披露するなど、大いに盛り上がりをみせました。

■イベント名:
『世界最古の洞窟壁画 35mm 忘れられた夢の記憶』緊急開催!小明ちゃんと学ぶヴェルナー・ヘルツォーク 祝!古稀&映画公開記念トークショー!
■出演:
小明(あかり/アイドルライター)、町山広美(放送作家)、松江哲明(映画監督)、村山匡一郎(映画評論家)、江口研一(翻訳家)、竹内伸治(本作宣伝プロデューサー)
■日時:5月4日(金・祝)13:00〜15:15 ■会場:ネイキッドロフト
■イベントの模様はUSTREAMにて配信中⇒ http://www.ustream.tv/recorded/22334808

【出演者コメント】
小明さん:こんなに天気の良い日に、洞窟のような薄暗い所(会場)へようこそ(笑)!実はヘルツォーク監督のことは何も知らなかったんですけど、この映画を観て、神社仏閣好きの私としては“スピリチュアルな感じ”がちょっと通じるかな、と思いました。この映画は、自分がまさに探検ツアーに参加しているような気持ちになる、体験型の映画です!私は専門的なことは詳しくないので、今日はご登壇している方々からお客様と一緒に学ばせていただく気持ちでいます(笑)。まずは、タイトルにある「35mm」って何ですか!?(会場爆笑!!)

町山さん:バラエティーとドキュメンタリーは切っても切れないもの。いわゆる「ドキュバラ」と呼んでいます(笑)!!かつてのTV番組「すばらしい世界旅行」のタイトルバック(ラスコー洞窟の壁画)が、私にとっての洞窟壁画の原体験。なので、私にとっては“ドキュメンタリーと言えば洞窟!”という印象があります。その後の「川口浩探検隊」(TV番組)などでも「洞窟」は定番で、TVドキュメンタリーと「洞窟」はとても相性が良いんです。最近自分が担当した番組でも「洞窟探検」を扱っているので、洞窟をどう撮るかというのは色々考えたのですが、やっぱりヘルツォークの本作は「洞窟を観る」という意味ではすばらしく見応えのあるものだと思いました!!2月頃にweb上で「4万2000年前の壁画(ネルハ洞窟)が見つかった」というニュースを観ましたが、これは事実なんでしょうか!?だとしたら、ショーヴェ洞窟が最古ではないということになってしまいますね(笑)。(→小明さんより「え〜〜っ!じゃあこの映画のタイトルが嘘になっちゃう」と突っ込みあり、会場爆笑!)3D版も35mm版も両方観たけど、私はヘルツォークらしさがより出ている35mm版が好きです。

松江さん:10年前にBOX東中野で映写技師をやっていたことがあって、ヘルツォークの作品は何作品か扱っていたんですが、その頃から大好きな監督です!熊が大好きすぎて熊にだったら殺されてもいいという男を追ったドキュメンタリー映画『グリズリーマン』というのがあるんですけど、これは必見ですよ!!結局、この男は最後は熊に喰い殺されるんですけど、とにかくこの男が幸せそうなんですよ。こんな嘘みたいなことホントのことを題材に、ヘルツォークはたくさん映画を撮っているんです。ネッシーを大真面目に探しに行く映画もありましたね(笑)。現在、日本で初めてとなるであろう3Dドキュメンタリー映画を鋭意製作中です!

村山さん:ヘルツォーク好きの身としてはヘルツォーク度が物足りないなぁという気はしましたが、35mm版は奥行き感を自分の感覚で想像しながら楽しめるので、 僕はこちらの方が好きですね。ドキュメンタリーとは、ジャンルではなく手法。たとえどんな虚構であっても自分の中の真実として押し出す力が強いヘルツォークのドキュメンタリーは、だから面白い!是非劇場で観て欲しいですね。

江口さん:ヘルツォークとは今回、電話インタビューで2時間話しました。35mm版の良い点は、ヘルツォークのナレーション。独特の語り口の怪しさによって、催眠術のように、まるで後ろでささやかれているような感覚に陥り、違う世界に引き込まれるような感じが、まさにヘルツォークらしさだと思います!