本作の公開を記念いたしまして、【知られざる北欧・ノルウェーの魅力】と題してトークショーが開催された。

≪『孤島の王』公開記念 知られざる北欧・ノルウェーの魅力 トークショー≫
日時:4月30日(月・祝)
場所:ヒューマントラストシネマ有楽町   ※16:40の回終映後に実施
ゲスト「知られざるオーロラの魅力」/門脇久芳さん(写真家)
1951年島根県生まれ、東洋大学大学院福祉社会デザイン研究科ヒューマンデザイン専攻人間環境デザイン学科博士前期課程修了。
写真家 杵島隆氏に師事。1981年ラップランド(フィンランド)でオーロラと出会った後、オーロラがライフワークとなる。
約20年かけ北半球の全域のオーロラ観測地を訪れ、オーロラの写真を撮り収める。写真集「オーロラ、AURORA」(情報センター出版局)はじめ「白夜の国で」、「オーロラの国で」(アスキー出版)CD=ROM「オーロラ」、「オーロラヒーリング」など多数発表し、
オーロラ写真展開催や講演オーロラ関連のTV、ラジオなど出演多数。

■オフィシャルレポート■
MC:本日はオーロラの写真家の第一人者、門脇久芳さんにお話を伺います。門脇さんがオーロラの写真を撮り始めたきっかけは?また映画はいかがでしたか?
門脇さん:30年前にトナカイの大集結を見たさにラップランドに行ったことがきっかけでオーロラの写真を撮り始めました。
北半球全地域を訪れ、制覇した今では、すっかりライフワークになっています。
「孤島の王」は冒頭のクジラのシーンが素晴らしく、最初からぐっと引き込まれました。
社会の縮図のような映画で、今の時代にも通じるところが多くあると思います。

MC:そんな門脇さんのライフワーク、オーロラの話をお伺いしていこうと思います。オーロラはどのように出現するんでしょうか?
そしてお写真もお持ちいただいたので見せていただきながらお話ししていただきます。
門脇さん:簡単に説明すると、太陽から電気を帯びた粒子が大気中の酸素窒素の分子原子が衝突して発光する現象です。
ノルウェーでは1900年頃からオーロラ研究が盛んで、ビルケランド博士という人が実験で証明しました。
ノルウェーの200クローネ紙幣にはオーロラとビルケランド博士の肖像が載っています。
また、同時にオーロラを研究していたステラマー教授が地上100キロ以上上空で、オーロラが舞うことを発見しました。
ところで「孤島の王」はノルウェーオスロ南方の島ですが、地球でいちばん最北の島はどこだと思いますか?
答えはスピッツベルゲン島です。“アンデルセンの雪の女王”の舞台になったところで、ここにはオーロラの観測所があるんですよ。
今日は、ロングイヤービエンのオーロラ、オーロラ研究のフィールドの地トロムソで撮影したもの、
フォーテン諸島で撮影したオーロラ、ハシュタという港町で撮影したオーロラの写真、ハシュタの海岸で撮ったオーロラなどの写真を持ってきました。
家並みとオーロラを比べてみるとオーロラのスケール感がわかると思います。
オーロラの下では僕なんか小さな蟻ですよ(笑)ハシュタの海岸で撮ったオーロラの写真は赤い色がついています。
でも実はピンクや赤などの暖色は肉眼ではほとんど見られないんです。
オーロラはほとんどがグリーンや白っぽい色です。でも写真にするとはっきりと赤色が出てくるんですよ。

MC:オーロラはいつ出てきますという風に決まっていないので撮影するのはかなり難しいのではないでしょうか。
門脇さん:そうですね。オーロラは日食と違って気まぐれなんです。
動物撮影と同じで、出てきてからカメラを構えたら遅いんです。
それと寒さ対策、ある夜はマイナス30度以下にもなります。
でもノルウェーでは暖流のお陰で、せいぜいマイナス10度ぐらいですが、
そして、夜のためにカメラのファインダー覗いても全く見えない、もう勘でとるんです。
そして、オーロラは実際の明るさは暗いんです。弱いオーロラは余裕がありますが、
オーロラ爆発と呼ばれる強いオーロラは前を撮っていると後ろが強くなっている。
後ろ側を撮りたいのに、前側は撮影が終わっていない。もう焦る焦る。パニックになりますよ。
言葉でもアー強い!強い!しか言葉にならない。これは百聞は一見にしかずです。
今年から来年にかけて、太陽の活動が活発なのでオーロラを見るチャンスです。
日本では北海道などでも見ることができると思いますよ。

MC:では最後に一言いただけますか?
門脇さん:ノルウェーはフィヨルドで有名で景観の綺麗な国で、またオーロラ観測の条件のいい国です。
是非皆さんもオーロラを見てください。