カルト映画としてうっかり大注目された映画『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』が公開初日を迎え、五月女ケイ子さんに「愛すべきツッコミ映画」のみどころを語って頂きました。

●4月28日(土)@銀座シネパトス ゲスト:五月女ケイ子さん ※ネタバレ注意の内容です
 
皆さんお疲れ様です。大変な映画でしたよね。私も最初に観たとき、一日分のパワーを使い果たしました。最初、この作品に魅かれた理由は中国のラジー賞を取ったことです。どんだけつまらないんだ!?って興味が湧いちゃったんですね。またこのタイトルも。未亡人軍団だから喪服なのかと。それに日活だからエロスを期待しちゃいますよね。でも、冒頭から白い服でエロスがなかったですね。
 とにかく未亡人が多過ぎです!3回観たんですけど、誰が死んで誰が生き残ったのかわからなくて。登場人物の紹介の仕方も一娘から順番にしてくれればいいのに五娘から八娘に飛んだりして説明する気ゼロです。「中国の有名な話だから当然わかるでしょ」って感じで進んでいくんですね。あと、顔も似てる。髪剃った人はわかりやすかったのに養女!せっかくわかったのに未亡人じゃない!おばあさん(チェン・ペイペイ)も未亡人なんですね。女ドラゴンはセシリアですよね?セシリアは最終的に未亡人じゃなかったから女ドラゴンってことで。
 それからストーリーに緩急がないんですよね。ずっと予告を見ているような感じ。なんでこの人監督しちゃったんだろ(笑)すごい前衛的な映画だと思うんです。1回じゃわからないですよね。(会場頷く)
 セシリアとリッチー・レンの恋愛シーンも全く余韻がなかったですね。岸谷五郎さん(リッチー・レン ※顔がそっくりなのです)が呑気すぎて好感持っちゃいました。「(惨敗したから)恥ずかしくて帰れなかった」って未亡人軍団が頑張ってるのに呑気すぎです。
 意外とおばあさんが活躍してますね。人を橋にして渡るのが一番スリルあった。おばあさん、大丈夫かな、落ちるんじゃないかって。おばあさんの杖も何のためにあるのかわからなかったです。水戸黄門の印籠みたいな感じなのでしょうか。説明が何もないのでわかりません。
 「味方ですよ」ギャグが何度かありましたが、あれ、いらないですよね。戦っているシーンで急に敵が「味方ですよ」って言うんですけど、観てる人も敵か味方かわからないのに出てる人たちもわからないという展開!
 2回目、3回目と観るといいですよ。たぶん皆さん気付かなかったと思うんですが、地平線があって、杖がニョキっと出ているカットがあってそれで「あ、おばあさん生きてる」ってわかるシーンがあるんですけど、3回目くらいでようやくそのシーンの意味がわかったんですよ。
 本当は2倍遅くして観るといいかもしれませんね。或いはリモコン持って一時停止したり巻き戻したりしながら観るとか。人間の脳では追えないように出来てる。これ1回でわかる人はそうとうIQ高い人か中国の方ですよね。
 原作よりも2人減らしてるらしいんですが、2人くらいだったらいてもいなくてもいいんじゃない?とりあえずパンフレットで家系図だけでも確認してみます。そうすればわかるかも(笑)

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