本4月7日(土)、Cocco初主演・塚本晋也監督最新映画『KOTOKO』(配給:マコトヤ)がシネ・リーブル梅田、名古屋シネマスコーレ、福岡KBCシネマで初日を迎えました。テアトル新宿では、監督・塚本晋也が上映各回(全5回)で舞台挨拶を行い、各回とも熱心なファンが押しよせました。

熱狂のベネチア映画祭、衝撃のフィルメックのジャパンプレミア、高まる観客の熱気に応えての先行上映を経て、ついにテアトル新宿での初日が満を持しての開幕。「アットホームな感じで進めたいと思います」という司会者の呼び出しに、「司会がこなれてますねー」と笑顔で登壇した塚本を、本作公開を熱望していた会場からの割れんばかりの拍手が出迎えました。初回舞台挨拶の発言。

◎初日を迎えての思い
長年ご一緒したかったCoccoさんと作った映画が、ついに初日を迎えられて感無量です。今日は朝から緊張しました。本当にありがとうございます。

◎海外映画祭や日本での先行上映や試写会など、これまでの反応について
ベネチア国際映画祭では、ほんとうにたくさんの温かい拍手を頂き、スタンディングオベーションもいつまでも続いて、劇場の人が僕に「もうこの辺でストップしてください」と言いにくるほどでした。その時は呆然としていたんですが、後から喜びが湧いてきました。一方日本では、観た後感想を言いながら泣いてしまう人や、青ざめている人がいて(笑)、すぐに言葉が出てこないことが多かったです。でも2、3日経ってから、熱い感想がガーっと寄せられたり」と反応の違いの面白さを披露した。

◎先行上映ではお客さんが笑っていたがー
「ギャグは入ってます!キートンとかチャップリンの古典的なやつ。笑って頂けると僕も嬉しいです」
緊張をほぐすような監督のお話に、会場の雰囲気は温かさの漂うアットホームな一体感が生まれていました。

◎『KOTOKO』に込めた思い
“無”からCoccoさんのお話を聞いて始まった企画ですが、聞いているうちにとても大事なテーマが浮かび上がってきました。愛する人を守るのがどんどん難しくなっていく時代に、自分たちはどうしていったらいいのか。自分とCoccoさんの状況、震災が起こったこと。いろいろなことがその一瞬のタイミングでしか生まれ得ないものでしたが、逆に普遍的な作品ができたと思っています。Coccoさんが、絵空事ではない人間の明部と暗部を体現してくださり、不安な時代を生きる女性を生き生きと表してくださいました。