4月7日、銀座シネパトスにて公開された映画「トテチータ・チキチータ」。東日本大震災から1年がたったが、現状は復興への途中。本作は震災後初めて福島全県ロケを行った。福島では3/10より先行上映されており、今福島に住んでいる人たちからの、映画を通じてつながりたいという想いがメッセージとして、劇場に掲示されている。その想いに応えるかのように、40代〜50代の女性を中心に多くの観客が劇場に集まった。上映20分前には満席状態。期待溢れる熱気の中、豊原功補、松原智恵子、寿理菜、葉山奨之、古勝敦監督、プロデューサーの古勝たつ子、古川雅裕が登壇した。

豊原功補(主演:一徳役)

最近、盲腸で入院していたのですが、手術後は笑ったら傷が痛むと聞いた松原さんは、次会ったとき絶対笑わせてやろうと考えていたらしいんです。そんなお茶目な女性ですが、役に入るとすごい集中力で、今回の現場は役者としてとても学ぶことが多かったです。役者にとって映画は記録です。この映画も自分にとって2011年の記録になりました。皆さんにとっても心に残る映画になると思います。

松原智恵子(百合子役)

亡くなった人が生まれ変わる、輪廻転生を描いており、私は一番年下の役を演じました。(凛役の)寿理菜ちゃんはとても落ち着いていて、“お母さん”と呼んでも受け止めてくれる安心感があり、(一徳役の)豊原さんも“お兄ちゃん”らしく、一緒に撮影を抜け出してお蕎麦を食べに行ってくれたりして、年齢と差のある役でもとても演じやすかったですし、お父さん(役の葉山くんは)はとてもシャイでかわいらしかったです。この映画はファンタジーです。とても不思議なお話です。家族の大切さ、生きていることの素晴らしさを感じられる、そんな映画です。

寿理菜(凛役)

はじめ福島の地元の子供たちと仲良くなれるか心配でしたが、みんな笑顔で優しく接してくれました。とても心温まる映画です。ゆっくり見ていってください。

葉山奨之(健人役)

実際に福島の地元の高校生と触れ合い役作りをしました。なかには震災で家族を亡くした子もいました。福島の人たちの強さを感じた。ぜひ家族みんなで見て、みんなにこの映画を伝えてほしいです。
古勝敦監督:一人で福島をめぐり、ロケーション探しもしました。震災をはさみ苦労して作り上げた映画です。
古勝たつ子(企画・プロデューサー):こんなにお客さんがきてくださって嬉しい反面、このメンバーで仕事をするのは今日が最後でいろいろな気持ちもこみ上げてきます。本当にありがとうございました。
古川雅裕(福島在住プロデューサー):福島のありのままの美しい風景や元気な子供たちを、写真が次々に出てくるちょっと長いエンドロールも含め見ていってください。