4/7(土)より公開致します映画『誰も知らない基地のこと』の日本外国人特派員協会での上映会の後、ティーチインがありました。
特派員協会の記者たちから熱心な質問がたくさんありました。

●4月5日(木)日本外国人特派員協会
(東京都千代田区有楽町1丁目7番地1 有楽町電気ビル北館20階)

Q、基地問題の対立は「住民vs国家」のように見えるが、
見えない対立として「関心のある人vsない人」の対立がある。これに対してはどう対応しますか?
A、関心がない人というよりは情報がないだけなのではないでしょうか。
ほとんどの日本人が基地問題の事態を把握していないことに驚きました。
戦争に反対、というのであれば基地があることに反対しなければならないでしょう。
基地を増やすということは戦争する体勢を整えることとなり、戦争につながっているのですから。
これは沖縄の問題だけでなく日本全体の問題です。
Q、フィリピンでは2009年に米軍基地を完全撤廃させた。
他のホスト国(基地受け入れ国)はどうして米軍基地を我慢しているのでしょうか。
A、イタリアでは基地をなくすということ自体がまだ政治的課題になっていません。
元々、軍事独裁政治だったときがあったのですが、その時に撤廃することが出来なかったので、今後も出来ないでしょう。
撤廃させればアメリカと対立することになりますから、仲良くしていたいのでしょう。
Q、映画にあるように、民主主義として投票で基地建設反対になったのに、それが覆されています。
これは違法ではないのでしょうか。
A、法的に言えば、条約を結んだうえで基地が作られているのですべて合法な基地です。
1956年にイタリアとアメリカで協定が結ばれましたが、内容については公表されていません。
選挙で市民の反対投票が多数だったのにも関わらず基地建設が推し進められてしまい、
違法にも思えますが、本当の意味では違法ではないのです。
Q、今のアメリカは軍事力はあっても経済力がない。
日本にある米軍基地を支えるために日本政府がその費用を出しています。
他の国ではどうなっていますか?
A、いくらなのかは把握していませんが、イタリアも米軍基地の維持のために負担をしているのは事実です。
NATO同盟に対しての支援もしています。この経済危機に防衛費を削っていないのはイタリアも同じです。
経済危機は国の体勢を考え直す機会なのに、軍事費が削られていないのですから、この先も変わらないでしょう。
Q、アメリカ軍は縮小しなければいけないと思うのですが、どうすればいいと思いますか?
A、世界中の反基地運動の人たちが団結してアメリカと闘うべきです。
軍産複合体は一般の人はほとんど利益を得ていなくて、1%の人の得となっています。
アメリカは帝国となってしまいました。歴史的にみて帝国は自発的に権力の座から降りることはなかったのですが、
アメリカには帝国ではなく普通の国になって欲しいです。
Q、米軍基地があることによって経済的恩恵を受けている側面もあると思うのですが、
この映画ではそこに触れておらず、一方的なものだとも思いますが?
A、ドキュメンタリー映画としてひとつの主張があってもいいと思います。
政府や国家の主張は連日ニュースに出ているのだから敢えて映画に出す必要もないでしょう。
沖縄の場合、米軍基地が経済的にいい影響を与えていたかもしれませんが、それは年々少なくなっています。
兵士は基地内で生活しているので地元にお金を落とすということはありません。
また、他国に対する抑止力については証明できるものがありません。