3月14日(水)世田谷区池尻のアンディカフェで犬と飼い主が一緒に映画「青いソラ白い雲」を観るという試写会が実施された。物語が2011年3月11日に起こった東日本大震災の影響で住む家を失い、お金もない元セレブのお嬢様が、ボーイフレンドから預かった被災犬ソラといかに生きていくかを描いた映画で、それにちなんで犬と飼い主に一緒に映画を観てもらうという趣向となった。
 主演女優の森 星(もり ひかり)、犬のアイラ、トレーナーのエリー、金子修介監督が舞台挨拶を行った。

 森 星(もり ひかり)は、今回、演じた小林リエ役が、自身と似ているところはありますか?という質問に、自分が演じた小林リエという役が自分の実年齢と近く、セレブのお嬢様というのはこう見えてしまうのだろうなと思う。中身の部分を見てみるリエは余り何も考えずに前向きに生きていこうとする女の子ですが、私自身は結構考えてマイナスに考えてしまう部分があるので、皆に見えていない部分は、リエとは異なると思うと述べた。

 アイラのトレーナーのエリーは、映画の中のアイラの見所について、今回、アイラは被災犬ということで、色々な犬の表情を見ていただけたらと述べた。
 金子修介監督は、映画の舞台設定を、3.11前後にした意図について、3.11や原発について語り出すと日本人はついつい深刻に話をして袋小路になってしまう。そこで震災も原発も笑ってしまおう、マイナスのエネルギーをプラスに転じてしまおうという映画にしたかった。被災者を象徴する形でアイラに出てもらい、登場する人物を見ているという映画にした。破天荒な映画にしたと述べた。

 映画の中で好きなシーンについて、森 星(もり ひかり)は、最後のシーンで歌うシーンがあるのだが、このシーンで観ている方に前向きになってもらえるのではないかと思うし、観ている方を元気づけることができたらいいと思えると述べた。アイラのトレーナーのエリーも、同じようにエンディングのシーンで、このシーンを撮影した時が本当にいい天気で、明るい終わり方だし、3.11前後が舞台ですが、全編を通して明るい映画で前向きな映画ですと述べた。

 金子修介監督がこの映画の中で、特に観てもらいたいところは、放射能や原発に関する危ないセリフが映画の中に沢山でてきますが、挑発もありつつ、楽しく観てもらえれば、我々はもう一歩前に進めるのではないかという思いで作った。新しいヒロイン、森 星(もり ひかり)は滅多にいない逸材だと思う。スターの輝きがあるので、それを観ていただきたいと思います。

 最後に、森 星(もり ひかり)は今まで無いような、恋愛ものでもないし、色々なドラマが混じっているような映画で、グサッとくるような言葉をポロッと言っているし簡単に言っているようにみえますが、色々な感じ方をしてもらえる映画だと思う。この映画を観て前向きになっていただければ嬉しいと思うと述べた。
 アイラのトレーナーのエリーは、3.11前後を描いた映画ということで、つい笑いを自粛してしまわないといけないのかなという風潮があるのかもしれないが、私は笑いたい時に笑えばいいと思う。映画の中でつい笑いたいと思うところが出てくると思うので、そういう時は笑って、前向きな気持ちで笑っていただければいいと思うので、そういった意味で楽しんでいただければと思うと述べた。

 金子修介監督は、そんな堅苦しい映画ではないです。アメリカから帰国してきた主人公は、ワンダーランド、「不思議の国のアリス」のような日本を見て、実際にそこに住んでいるのは我々日本人だというアイロニーもあったりするわけです。青いソラ白い雲を見上げても、そこには放射能があるなあと思うわけです。しかし、マイナスなことをプラスに転化したいと思う、そういう思いを込めた映画ですと述べた。

「青いソラ白い雲」は3月31日(土)よりK’s cinemaほかにて全国順次ロードショーされる。