■(MTへ)マーク・ウェブを起用した理由は?
MT:
アヴィから話があったように、「スパイダーマン」のユニークな点はピーターのキャラクター。まず我々と同じような人間で、富豪でも大人の男でもない。これから成長しようとしている微妙な年代。無責任でも許される存在のままでありたい気持ちと、大人にもならなければならないという責任の狭間にいて、まさに人生の岐路に立っています。だからこそのジレンマがあり、共感してもらえると思う。物語をつくるにあたってドラマが大事だと考えました。もちろん最高のSFXをお届けしますよ。でも骨子にあるのはドラマ。それが「スパイダーマン」を「スパイダーマン」たらしめている核なんです。
アヴィと話し始めたときにエモーショナルなストーリーを描ける監督でなければ、グッとくるラブストーリーも描ける監督でなければと話しました。そんなとき現代の人間関係をリアルに描いた『(500)日のサマー』を観たときに興味を持ち、すぐにマーク・ウェブ監督と打ち合わせをもったんです。彼が話したのはシリーズやキャラクターへの愛で、それはこれまでの作品をリスペクトしつつも何か新しいものを感じさせてくれるものでした。100本以上のミュージッククリップを手掛けた監督でもあるので、新しい現代的なものも期待しています。『ソーシャル・ネットワーク』のように、今はオタクが世界を席巻していると良いと思います。ピーターもそんな現代の感受性を持った一人ですが、彼や、彼を取り巻く現代世界を、今の感覚で描ける、マーク・ウェブのその部分が起用した大きな理由です。どんな映画でも、監督を選ぶリスクはつきものですが、彼を信じているし、実際に今徐々に上がってきているものを観て、それは間違ってなかったと確信しています。

■(AG・ESへ)新しいピーター・パーカー、グウェンを演じるにあたってプレッシャーは?
AG:ハイ(YES)。かなり感じました。前の3部作は素晴らしかったと思いますし、スタン・リーの世界を忠実に表現していました。それに進化してきた歴史があります。
僕は3歳のときからファンで、まず第一に“ファン”なんです。「スパイダーマン」にインスピレーションを受けました。それを継ぐ俳優としてとっても光栄に思っています。
もちろんプレッシャーを感じますが、それは世界中のファン責任感を感じるからであって、健全なプレッシャーです。とてもポジティブなこと。それを思い出させてくれてありがとう。

ES:
私はラッキーでした。グウェンは以前ブライス・ダラス・ハワードが演じたような、ピーターとMJの間に割って入るグェンとまったく違う設定です。今回MJは登場しないですしね。
キャラクターに対するプレッシャーは感じなかったのですが、まさに今この瞬間、感じています。こんなに国際的に注目される作品に出演するのは初めてだし、来日して皆さんの質問を受けて間違ったことを言わないか・・・(笑)撮影ではベットルームで恋愛トークなど緊張するシーンもあるけれど、それはこれまでの作品でもあることだし、プレッシャー感じませんでした。プレッシャーはまさに今なの!

■(AGへ)本格的なアクションは初めて。感想は?
AG:とても楽しみました。大きな挑戦であり、ラッキーな経験でしたね。フッテージ映像でもご覧になったと思うのですが監督からは実際にスタントをやってほしいと依頼がありました。スタントはアームスロングの素晴らしいスタントチームがサポートしてくれました。彼らはボンドシリーズなどを手掛けてきた伝説的なチームです。彼らを前にして、とても謙虚な気持ちになりました。トレーニングは4ヶ月間、毎日ヘトヘトになるほどやりました。ダブルのスタントがついてくれたのですが、彼らはそれぞれの得意分野があって、素晴らしいチャレンジングな体験になりました。それに蜘蛛に噛まれてからどういう動きになるのかを彼らと考えながらやっていく楽しみもありました。スタントは本当に大変だったけれど、彼らプロのチームがいたから可能になったんだと思う。

■《全身スパイダーマンに身を包んだ記者からの質問で会場笑》
 (ES)ピーターとMJといえば逆吊りのキスでしたが、今回のピーター&グウェンはどんなキス?

ES:ありがとうスパイダーマン(笑)。先に知らないほうが映画を楽しめるんじゃない?^^ 観ていただいてから決めてもらえればと思います。逆吊りではないけれど、今回は素敵なファーストキスのシーンがあるので期待しててくださいね。

MT:今アンドリューとやってみる?

ES:セットとか準備がされてないのでダメよ。

■(AG、ES)日本で行ってみたい場所や食べてみたいものは?
AG:
もっと時間があればと思うよ。いろんなところを探検したい。昨日はしゃぶしゃぶを食べたらとても美味しかった。昨日ずっと取材を受けて、日本のジャーナリストはお世辞ではなくとても知的で、良い質問をたくさん受けたよ。取材でこんなに素敵な気持ちになった日は初めてです。映画を良いと言ってもらうためでないよ(笑)。
今回はもう明日日本を出ますが、6月にまた来日したときはもっと長い滞在にしたいです。そのときは皆さんいろいろとアドバイスをください。

ES:
「アメイジング・スパイダーマン」のような大きな作品にかかわって、唯一フラストレーションを感じるのは、世界中の素敵な街に連れて行っていただけるのだけれど、滞在がわずか2〜3日ということ。よってホテルの中ばかりで、今回もおそらく時間がなさそうです。
でもまた日本には戻って来ることを約束します。それはただ日本という国を楽しむために。街をぶらぶら歩いて、たくさん食べつくしたいし、歴史・文化などこの奇跡的な素晴らしい国を楽しみたい。皆さんそのときもよろしくお願いしますね。