3月4日(日)、大阪歴史博物館にて第7回大阪アジアン映画祭プレイベント【おおさかシネマフェスティバル 〜映画ファンのための映画まつり〜】が開催されました。76年にスタートした手作りの映画祭として、大阪の映画ファンにはおなじみの当イベント。今回も前売券が早々に完売し、映画ファンで満席となった会場に豪華なゲストが続々と登壇されました。
 今回は、昨年逝去されました原田芳雄さん、森田芳光監督の長年に渡る日本映画界への貢献を讃えまして、特別賞を授与させていただきました。受賞式の前には森田監督の遺作となりました『僕達急行 A列車で行こう』を上映させていただきました。
 藤沢周平の短編小説を映画化した『小川の辺』で助演男優賞を獲得した歌舞伎役者の片岡愛之助さんは、京都南座での出番を終えて、大急ぎで授賞式に駆けつけて下さいました。さらにこの日、40歳のお誕生日を迎えた片岡さんへ、サプライズとして映画祭からお誕生日ケーキをプレゼント。会場は温かなお祝いムードに包まれました。「自分で生まれ育った大阪で賞をいただいて、素晴らしい40歳の門出となりました」と喜びのコメントを残されました。
 新藤兼人監督『一枚のハガキ』で主演男優賞を獲得した豊川悦司さんは、地元が大阪ということもあり、終始リラックスした表情で、授賞式に参加されていました。『石内尋常小学校 花は散れども』に続く新藤監督作品への出演となった豊川さんは「2作品連続で新藤監督に呼んでいただけたのは嬉しい」と語り、「『一枚のハガキ』は監督自身の実体験がベースになっているので、監督というモデルがいてくれてラッキーだった」と話されていました。
 そして主演女優賞は『デンデラ』での熱演が多くの映画ファンを魅了した浅丘ルリ子さんが獲得。「これまであまり縁のなかった大阪で表彰されたのが嬉しい」と笑顔で語り、『デンデラ』のクライマックス、熊との対決シーンでは、「熊と対峙しても負けない眼力で勝負した」と、演技にかける情熱を感じさせるコメントを残して下さいました。
 授賞式終了後には原田芳雄さんの主演作『大鹿村騒動記』を上映。満席の場内は、名優の渾身の演技に見入る映画ファンの熱気に包まれました。

日本映画 個人賞は以下のとおりです
※敬称略
監督賞:阪本順治(『大鹿村騒動記』)
主演女優賞:浅丘ルリ子(『デンデラ』)
主演男優賞:豊川悦司(『一枚のハガキ』)
助演女優賞:神楽坂恵(『冷たい熱帯魚』『恋の罪』)
助演男優賞:片岡愛之助(『小川の辺』)
新人女優賞:杉野希妃(『歓待』)
新人男優賞:まえだまえだ(『奇跡』)
脚本賞:新藤兼人(『一枚のハガキ』)
撮影賞:北信康(『一命』)
音楽賞:安川午朗(『八日目の蝉』『大鹿村騒動記』)
新人監督賞:三宅喜重(『阪急電車 片道15分の奇跡』)
特別賞:原田芳雄、森田芳光