2月3日(土)より全国公開となる映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』。
人生を鉄道になぞらえ、鉄道にまつわる人々のドラマを描く『RAILWAYS』シリーズの第2弾となる本作は、富山を舞台に、定年退職を機に第2の人生に向き合うことになった鉄道運転士とその妻の物語です。

そしてこの度、映画の公開に先立ちまして、キャスト・スタッフが登壇し、11月22日(火)“いい夫婦の日”に、完成披露試写会舞台挨拶を行いました。
“いい夫婦の日”にちなみ、舞台挨拶では、主演の三浦友和さんと余 貴美子さんが、夫婦円満の秘訣などを語りましたが、最後のフォトセッションでも「愛」の花言葉を持つバラで作られたパネルも登場するなど、夫婦の深い愛情を描いた映画にぴったりの温かい舞台挨拶となりました。

【日時】11月22日(火)18:30〜
【会場】丸の内ピカデリー2
【登壇者】三浦友和、余貴美子、中尾明慶、吉行和子、蔵方政俊(監督)、阿部秀司(製作総指揮)
【MC】松丸友紀(テレビ東京アナウンサー)

<ご挨拶>

●三浦友和さん:
みなさんこんばんは。今日はありがとうございます。
来年1月で還暦を迎えるのですが、実年齢のお話をやらせていただきました。
身につまされるという思いが大変強かったです。

●余 貴美子さん:
今日は足をお運びいただきまして、本当にありがとうございます。
この映画は男性は身につまされ、女性は「あーそうそう」と思われるような物語かもしれません。夫婦には色々な形があって、幸せの尺度も違います。
ある一組の夫婦のお話ですが、この映画がきっかけで、夫婦というものを夫婦で語り合う時間がもてたら嬉しいなと思います。

●中尾明慶さん:
本当にこの映画に関われて嬉しい気持ちでいっぱいです。またこれだけ多くのお客様に来ていただき幸せです。

<質疑応答>

●MC:
阿部秀司さんにお聞きします。
『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』に続く第2段となりますが、今回、撮影を富山県に決めた理由は何でしょうか?

●阿部秀司さん:
前作の舞台になった島根県の他に、RAILWAYSシリーズとして映画を撮りたいと思ったときに、島根県を超えるくらい景色が良くて、良い鉄道はどこかないかなと考えたときに、あっ富山があると5秒で思いつきました。
即決でした。富山は北アルプスもあって、海があって、そこに100キロを超える綺麗でプリティな電車があるということで、6秒で決めました。

●MC:
三浦友和さんにお聞きします。
クランクインが、東日本大震災の翌日の3月12日だったとのことですが、どのようなお気持ちで撮影に臨まれたのでしょうか。

●三浦友和さん:
3月11日の数日前からもう運転士の訓練などに入っていました。
また当日11日の午前中に撮影が無事に終わりますようにというお祓いをして、明日からの準備に備えるためにホテルに戻ったところに富山でも結構揺れまして、大きいなと思ったら、東日本大震災でした。

そこからTVで流れる映像というのが、みなさんも記憶に新しいかと思いますが、新聞もテレビも、すべてが地震一色になり、悪夢のような映像をずっと見続けたわけですね。
そして、次の日の早朝のクランクインが電鉄富山駅のホームからだったのですが、撮影をやるやめるという状態ではなくて、もう段取りが組まれていたので撮影に突入せざるをえない状況でした。
その時には、「こんなことをしていていいのだろうか」と悩みました。
現実があまりにも厳しすぎて、我々は虚構の世界を見せる仕事ですから1週間くらいはぼーっとして撮影に集中できなかったというのも真実です。

ですが、後半、約2カ月間くらいの撮影期間だったのですがみなさんも同じように感じられたかと思いますがやはり人生を考えたり、生きてることが何か、大事なことは何かを無意識に感じていたはずなんですね。

それを僕らも同じように感じていましたし、この作品は、夫婦の話や娘といった家族の話ですので、我々のこの仕事を通してそれらを反映し、このフィルムの中に焼き付いているのではないかと思っています。
それをみなさんにご覧いただけるのではないかと思います。

●MC:
余 貴美子さんにお聞きします。
今回、富山で暮らす主婦という役柄を見事に演じておられますが、富山弁など、役作りで苦労された点は何でしょうか?

●余 貴美子さん:
映画の舞台が富山なので、富山人にならなくてはと思い、居酒屋や人がたくさん集まるところに2ヶ月間通って、富山の方とたくさん触れ合い、富山弁の勉強もしたので、少しは富山人になれたのかなと思っています。
富山の皆さんには本当に感謝しています。

●MC:
吉行和子さんにお聞きします。
映画の中で、人生の先輩として、佐和子に素敵なアドバイスをしておられますが、吉行さんから見て、なかなか気持ちを伝えられない滝島夫婦は、いかがでしょうか?

●吉行和子さん:
完成した映画を観たら、「こういうこともあるんだろうな」と思いました。
私の役は、病院で管に繋がれて死んでいくのではなく、病気になっても自分の家で過ごしたいと言い、余さんが演じる佐和子さんにお世話になるんですが、深刻な割には、結構とぼけているところもあり、余さんに向かって、「旦那だと思うから癪にさわるのよ。“夫(おっと)”ではなくて、“ペット”だと思えばいいのよ」というようなことを言う、そんな役を演じました。

●MC:
中尾さんにお聞きします。
今回は大先輩との共演となりましたが、いかがでしたでしょうか?

●中尾明慶さん:
いつになく緊張してたのは事実なんですが、今回演じた役が新人運転士の役だったので、そういう意味では自分も若い俳優として大先輩の中で演じさせていただき、自然に演技が出来たかなと思います。

大先輩のキャストの方々もスタッフの方々もとても素晴らしい方が集まっていらしゃったので、僕は今まで色々な作品にも出ていますが、この映画に参加させていただき、「もっと映画で活躍したいな」と思わせてくれる作品になりました。

●MC:
監督にお聞きします。
今回、オールロケで、しかも電車を使っての撮影となりましたが、撮影で1番気を使われた点はどんな点でしょうか?

●蔵方政俊監督:
ご覧いただいたら分かると思うのですが、電車の出てくる場面が多いので、事故が起こらないようにということは気をつけました。
また、今回はオール富山ロケだったので、一般のお客さんにご迷惑かからなにようにという部分も気をつけましたね。

それと、今回の映画のテーマが“夫婦の絆”なので、観ていただいた方に温かいものを感じてほしいと思いました。ですので、撮影している現場も温かいものであるよう心がけました。

●MC:
本作は、夫の定年を前に、夫婦が第2の人生をどう生きていくかとテーマに描いた映画であり、奇しくも、本日11月22日には、いい夫婦の日でもあります。
そこで、出演者の皆様、いい夫婦であるために秘訣は何であると思われますか。

●中尾明慶さん:
僕からですか!?(笑)
全国の23歳で答えられる人はなかなかいないと思うんですけど(笑)。
でも、分からないですが、僕の両親はいつも喧嘩をするんですよね。
しかも、いつも同じ内容で。そういうのを見ていると、喧嘩することも大事なのかなとは思います。それに、いつも同じ内容で喧嘩をしているので、お互いに変わらず、ずっと一緒にいれるというのが、大事なのかなと思いました。僕はまだよく分かっていませんが(笑)。

●吉行和子さん:
三浦友和さんが言うように「相性」だと思います。
相性の良い人と私は巡り会えなかったですが、その相性が良かったらうまくいくんだと思います。

●余 貴美子さん:
私も三浦さんの「相性」を読んで勉強させていただきたいと思います(笑)。

●三浦友和さん:
確かに相性はあると思いますが(笑)。
でも僕なんかよりも、今日来ていただいているお客様の中には、我々の大先輩がたくさんいらっしゃると思いますので、これからが勝負ですよね。
相性が良くても努力しなければ続かないのではないかと思います。
日々努力ですね(笑)。

<最後に一言>

●三浦友和さん:
先ほども申しましたが、客席を見渡すと年配の方が多くて、こんな試写会は初めてです(笑)。でも嬉しいですね。
うちもそうなのですが、映画を観に行くということが癖になるといいんですよね。なので、この映画がそういったきっかけになってくれたら嬉しいです。

お1人で来ている方は、今度は奥さんや旦那さんと一緒にまた映画館に足を運んでいただければと嬉しいです。

起承転結が激しいような物語ではないのですが、家庭の中こそが1番ドラマチックだと思っています。自分で言うのも何ですが、素敵な映画に仕上がっていると思いますので、皆様楽しんでご覧下さい。