12月1日(木)よりいよいよ公開となりますスティーヴン・スピルバーグ監督最新作『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』。
本作と朝日新聞「Look up Japan」プロジェクトがタッグを組み、試写会&トークショー付きチャリティーイベント本日【11月12日(土)】に行いました。
トークショーには髪型がタンタンと瓜二つの評論家の山田五郎さん、モデルの堀内葉子さん、海洋冒険家の白石康次郎さんに、映画『タンタンの冒険〜』や“冒険”の魅力を存分に語っていただきました。
「好奇心と冒険心こそが困難な状況から抜け出す力になる」ことを教えてくれる本作を通じて、ゲスト3名が新たなチャレンジ・冒険大切さを伝えると、会場に集まったお客さん達は感心した様子で話に耳を傾け、トーク終了時には、大きな拍手が沸き起こりました。

また、会場内では東日本大震災で両親を亡くした子どもを支援するための募金活動も行われ、今日本に必要な“冒険”と絆を感じさせるイベントとなりました。

朝日新聞「Look up Japan」プロジェクト
「タンタンで日本を元気にしよう!」チャリティー・イベント概要

日時:2011年11月12日(土) 
会場:有楽町朝日ホール 東京都千代田区

登壇者:山田五郎(編集者・評論家)、堀内葉子(モデル)
白石康次郎(海洋冒険家)
1967年東京生まれ鎌倉育ち。世界でもっとも過酷な一人乗りヨットレース
「5OCEANS」にチャレンジする海洋冒険家文部科学省子ども
居場所事業キャンペーンメンバー横浜市教育 改革会議委員

トークショー内容

※MCより登壇者説明の際・山田五郎さんを、そのチャレンジ精神と風貌から和製タンタンとして紹介すると、タンタンと同じ青セーターにコート姿で登壇、「髪の毛も少なくなってきて、“タンタン”といえるのもあと数年ですが(笑)」と語り会場を沸かせていました。
しかも、衣装が自前であることを明かしました。

MC:「タンタンの冒険」(原作・映画)はいかがでしたか?

山田五郎さん:
原作本はベルギーのものなのでアメコミとは違いシックでおしゃれな色合いですよね。
タンタンが少年記者の設定なので、時事問題が盛り込まれていて大人になってから読み返しても、新たな発見があるので子どもから大人まで幅広い方々に楽しんでいただけると思います。
日本の著名なCG作品を手がける監督に聞いたところ、(作業量やコンピューターのスペック等が膨大になってしまうため)クリエイターが押してはいけないスイッチがあるらしいのですが、本作はそのスイッチを連打しているらしいんですよ、さらにクリエイターのみならず人間が押してはいけないスイッチにもついに手をかけているとのことで、そのCG技術の高さに驚嘆していました。

堀内葉子さん:
3DのCGがすごく綺麗で、びっくりしましたが、そのあとすぐにストーリーに惹き込まれていきました。
とにかくタンタンが勇敢で頼もしく一緒に冒険をしている気分になれる夢いっぱいの作品です。
特に印象に残っているのは、冒険を続けていく中で出てくる砂漠のシーンでタンタンとスノーウィーのナイスコンビぶりも見逃せないポイントです。

白石康次郎さん:
タンタンは射撃が得意だとか、アクションがすごくできるとかすごい特技があるわけではないけれど、好奇心と冒険をしたいという熱意が自分を突き動かしているところが、僕自身とも重なり、とても似ていると思いました。CGの表現が素晴らしく、特に海上のシーンは僕が船上から見ている実際の風景に非常に近く今まで見た映画の中でも一番忠実で3DCGなのに違和感は皆無でした。

MC:“冒険”について皆さんどのように考えていますか?

山田さん:
“冒険”という言葉を聞くと、白石さんのような屈強な方がイメージされると思いますが、僕らのような文化的な人間でも冒険、チャレンジはできるし、実際映画化に用いられた原作本三冊(金のはさみのカニ、レッド・ラッカムの宝、なぞのユニコーン号)はいずれも1940年代に書かれたもので、政治的に文化が抑圧された中でエルジェが勇気を持って書き続けた冒険作であると思います。
(堀内さんのコメントをうけて)女性は、冒険する男性が好きとかよく言いますが実際冒険すると怒られますよね(笑)。

堀内さん:
一般的に男性の方が、冒険心が旺盛だと思うので女性は冒険心みなぎっている男性に惹かれるところがあると思います。
実際に私も、冒険心のある方のほうがタイプです。
本作をみて勇気をもらったので、人生は冒険、失敗や後悔を恐れず前向きに進んで行くことが大事なんだと感じました。

白石さん:
私がヨットを始めた頃は海図に“まだここはわかりません”と記入されていることもあってそれが、ワクワクを引き出してくれた。
今はどこでも携帯がつながるなど(冒険的には)嫌な時代になったね(笑)。
航海中には台風のなかに入ってしまったり、バミューダトライアングルで竜巻に遭遇したり、港から泳いできた海賊を木刀で退治したり、ヨットが漫画のようにクジラの背中に乗り上げたり、色々なことがあったしこれからもあるだろうけど、進めば進むほど、色々なことが起こる。
だからこそ、経験をつんで人間は成長していけるんだと思うし、冒険はそこに魅力を感じるね。
“かわいい子には旅をさせろ”とはよく言ったと思うよ。
出航してからゴールするまでいつ死んでもいいという覚悟で臨むけれど、“危険だ”とかそういうことでは計れない魅力を感じるんだ。冒険中困難に直面することもあるけど、そんな時は仲間がいるし、自然があるから癒されるね。
他人や自然、そして運命を変えることはできないけれど、運命や状況に対峙したときにとる自分の態度は変えられる、全ての答えは自分の中にあると思うんだ。

MC:それではこれから映画をご覧になる方に一言お願いします。

山田さん:
これから映画をご覧になる方に言うのも、気が引けますが、みなさんが、本や映画で感じたことから何か実際の行動に反映して冒険をしてみるのもいいと思います。楽しんで映画を見てください。

堀内さん:
深く考え無いでも純粋に楽しんでいただけると思います。
どうぞ楽しんで見てください。

白石さん:
純粋な気持ちで主人公になった気持ちで映画を楽しんでください。
そして冒険をしたいなという気がうまれたら、恐れずに踏み出してみてください。
親御さんは冒険を見守ってあげてくださいね。