園子温監督最新作『恋の罪』が、11/12(土)より、テアトル新宿ほか全国にて公開いたします。

本作は、渋谷区円山町ラブホテル街で起きたエリート女性殺人事件からインスパイアされた、園子温が大人の女性を描いた、美しき極上エンターテインメント。第64 回カンヌ国際映画祭を始め、数々の国際映画祭で絶賛を受け、海外での上映も続々決定している話題作です。
昼と夜、別の顔をもつエリート助教授・美津子を熱演した主演女優・冨樫真と、3 年前の舞台共演をきっかけに公私共に仲がいいという川島なお美さんが、友人にエールを送るためにトークショーに登場。女性限定試写会で美しき究極の女性讃歌『恋の罪』の魅力を語りました。

日時:11/8(火)11:30〜12:05
場所:シネマート六本木 スクリーン4(港区六本木3-8-15)
出席者:川島なお美(ゲスト)、冨樫真(『恋の罪』美津子役)

本作に主演した冨樫真さんと、以前から園子温監督作品のファンだという川島なお美さんは、3 年前の舞台共演をきっかけに、友達の間柄。冨樫さんが美津子役を演じたことについて、「オーディションを受ける時からずっと応援していて、“絶対大丈夫!絶対受かるから!”と根拠のない自信で励まし続けてきました。この映画で素晴らしい演技を見せてくれたので、自分のことのように感激しました」とコメント。オーディション直前、舞台公演で一緒に地方にいたそうで、「関西で舞台を終え、皆でご飯を食べに行こうと言っていたら、彼女は “オーディションがあって監督の作品を観て台本も読まないといけないから、今日は漫画喫茶に籠ります!”と言って、私たちが飲んでる間に勉強していました。私は、“絶対に受かる気がするから、そのままでいいよ!”と送りこんだんです」と、役の決まるはるか前から、冨樫さんが真摯に役に向き合っていたことがうかがえる、友人だからこそ知りえるエピソードを披露。
その根拠として、「エリートOL 殺人事件をモチーフにした作品だと彼女から聞いていて、私にとってものすごく脳裏に焼きついていた事件でした。その事件の持つミステリアスな部分、謎が解決していないドロドロしたところたら人生の破滅に向かってしまうかもしれないけど、役の中でこういう人生を生きられるというのは幸せだと思います。女優冥利に尽きるということです」とコメント。また、3人の主人公で最も共感できるのは「美津子といずみかな。落ちれば落ちるほど輝いていくいずみと、転落を宿命のように背負った美津子の生き方、共感できます」とのこと。
本作によってあぶり出される“女性の持って生まれた業”、“転落願望”を実際に行動に移すか否かというボーダーラインについて、「女優って、仕事の中でそれができるんです。いつも台本を抱えていて自分ではない誰かの人生を背負っているので、仕事が終わってしまうと自分が不安定になるんですよね。いつも誰か他の女性が中にいた方が精神の安定を保てるんです。台本を抱えていない時の自分も、この映画の3人のように何かの願望を持ってしまうかもしれません。女性だったらあり得ると思います」という川島さんの言葉に深くうなずきながら、冨樫さんも「幸せだと思っていても、人間ってそれに慣れてしまうと欲望が出てきてしまうんです。危険なことであっても、人生に痛みを求めてしまいますよね」とコメント。川島さんも「女は子宮を持っていることで、月の満ち欠けもそうですけど、色んなことに支配されていると思います。それで普段の自分と全然違うことをしてしまったりとかあるでしょうし」と、さらに持論を展開。
川島さんといえばワインということで、『恋の罪』をワインに例えていただきました。
「ブルゴーニュワインは他のワインとは違って、性悪女のような魅力があるんです。飲む人を手玉に取ってコロコロ表情を変えていく。罪深き美味しいワインという意味では、“ヴォーネ・ロマネ”でしょうか」。
最後に、女性に向けてメッセージをいただきました。
冨樫さん「女性の生きる力強さ、女の色んな面を垣間見られる映画だと思います。自分の中の欲望をむき出しにして観て欲しいです」
川島さん「3人の女性が恐ろしいほど輝いています。人が一生懸命、むきだしになって死に物狂いで生きようとしている姿はなんて美しいんだろうと思います」