『ももいろそらを』のゲストによるQ&A セッションが行なわれました。

■ 日時・場所 10月25日(火) 17:35〜 @シネマート六本木
■ 登壇者 小林啓一(監督)、宮?紀彦(マネージメント)

Q: 最初にお伺いしたいのですが、マネージメントってなかなか耳にしない役割ですが、具体的な内容は?
小林啓一監督(以下、監督):これは僕がお話しましょう。彼は普段助監督をやっている人で、『リング』の貞子の目を担当したこともあります(笑)。この作品は役者とスタッフを含めても10人いないくらいの少人数で作ったので、助監督と呼ぶほどの役割がありませんでした。そこで、マネージメントという役割を考えだして、様々なサポートをしてもらいました。

Q: これは最初からモノクロ専用のカメラで撮影したのですか?カラーでもこの作品を見てみたいです。
監督: 編集で色を抜きました。モノクロで撮ると、中間部分が上手く表現できなかったり、黒もべたっとした色になってしまう。それがもったいないので、カラーで撮ってモノクロにしました。カラーもかなり綺麗なので考えています。説得力というか僕が意図していることがカラーにすると分散されてしまう気がするので上映ではカラーはないと思いました。ただ、DVD特典にするのは良いかなと思っています。

Q: 途中の台詞でいずみちゃんがピンクの空の話に触れた段階で、ピンクの空(煙)を見せるのかなと思った人は少なくないと思いますが・・・
宮?紀彦: 確かに、煙のピンクにしようというアイディアは出たのですが、小林さんの想いの中ではピンクであることは重要ではなく、いずみがピンクの空をつくってあげようとする行為やそれを見ている(佐藤光輝役の)高山君がそれを感じたりと、その辺の心の色が重要だったのです。

Q: この映画では、音とか音楽をいれておらず、実際に登場人物が立てる音だけだったと思います。誰の判断で、その理由は?
宮?紀彦: 小林監督が決めました。予算がないのもひとつの理由。今回の映画はいづみという女の子を追っています。彼女が出てこないシーンは全くない。彼女を追いかければストーリーに出会える。ドキュメンタリーというかたちをとっているので、音楽で魅せるということは全く考えませんでした。

Q: 東京国際映画祭の上映が決まったことで何か自分の中で変わったことはありましたか?
監督: 出品が決まったということで、観てくれる人が増え、つくって良かったなと。実は、「日本には必ずファンが2万人いる。どんなものに対しても2万人は応えてくれる」という父の言葉を真に受けて、「だったら2万人に向けてつくってもいいかな」という想いで思う存分つくりました。そしてこれだけのお客さんが観に来てくれているのだったら間違っていなかったのかなと思っています。これからつくっていくにあたり励みになりました。

Q: この日本映画・ある視点の作品は英語字幕もついていますから、どんどん海外の映画祭でも上映されるといいですね。
監督:ありがとうございます。今想像してみて、本当にそうなればいいなぁと思いました。実際に海外に出て、東京国際映画祭に恩返しをしたいです。このような上映の機会をいただけて、本当に嬉しく思っています!