10月23日、「ヘッドショット」のゲストをお迎えし記者会見が行なわれました。

■ 日時・場所 10月23日(日) 16:15〜 @ムービーカフェ
■ 登壇者 ペンエーグ・ラッタナルアーン(監督/脚本)、パワット・サワットチャイメート(プロデューサー)、
レイモンド・パッタナーウィラクーン(プロデューサー)、ノッパチャイ・ジャヤナマ(俳優)、セリーヌ・ホーワン(女優)

国内が洪水被害で大変な中、東京国際映画祭に参加するために来日してくださった「ヘッドショット」の一行に対して、暖かい拍手をもっ
て記者会見が開始されました。
レイモンド・パッタナーウィラクーン: こんにちは。この記者会見が終わるまでに、皆さんには僕の名前のつづりを正しく覚えていただけれ
ばと思います。ちゃんとテストしますよ!

Q: 主人公が撃たれるシーンですが、案内人が来て「こちらへどうぞ」と日本語で言っていたように聞こえたのですが、あそこで日本語が出た意味を教えてください。
ペンエーグ・ラッタナルアーン監督(以下、監督): 我々のクルーの友人の方に出演してもらいました。始めから予定していたことではなかったのですが、その役を演じるはずのタイ人が現れなかったので、クルーの提案もあって使いました。撮影時、本人には日本語で台詞を言ってもらって、後でタイ語に吹き替える予定だったのですが、そのことをうっかり忘れてしまったので、台詞は日本語のまま残りました。それから工場のシーンで坊主頭の男性も日本人です。台詞がない役でしたので、わからなかったと思いますけどね。

Q: 監督の演出について、何か変わっていると感じられたところがあれば教えてください。
セリーヌ・ホーワン(以下、CH): 私の経験からも、ペンエーグ監督はとても個性的です。演出というものが芸術として彼の中にあって、映画作りにおけるセンスや撮影のペース、厳選したスタッフ、そういったことがすべて彼の個性なのだと思います。女優として、監督の映画に出演できることを光栄に思います。
ノッパチャイ・ジャヤナマ(以下、NJ): 正直言って、ペンエーグ監督が特に個性的だとは思いません。強いて言えば、ものごとを自然に見えるよう努力する監督が多い中、ペンエーグ監督はそういったことをしません。彼自身が自然体だからなのだと思います。

Q: ノッパチャイさん、髪の毛があったりなかったりと色々な時空列を組み合わせての撮影だったと思いますが、大変でしたか?
NJ: 髪の毛の長さは関係なく、トゥルの内面、彼が何を考えているのかが重要だったんです。それぞれの髪型が、彼の人生におけるそれぞれの場面を象徴しています。

Q: トゥルは散々生き延びて、でも最後に撃たれてしまいます。誰が彼を撃ったのですか?
監督): 誰が彼を撃ったのか、私にもわかりません。色々な人たちが係わっていて、トゥルを撃ったのはその誰であってもおかしくないと思います。リンが殺ったと思った人も少なくないでしょう。実はあのエンディングは台本にはありませんでした。しかし撮影中にそういう展開になりました。映画を撮り終わって、自分の作品を見て思ったことですが、トゥルは常に逃げ続けることができていたのです。しかし、死に際のトゥルを見ていると、死を受け入れたかのようにも映ります。死ぬことでしか人生をやり直すことができないと感じていたのかもしれません。

Q: 俳優として、お互いの印象は?
NJ: 僕はあまり準備をしないタイプの俳優です。だから初対面の時、セリーヌがあまりにも周到に準備をして、台詞を練習したりしているのを見て、自分はこのままのやり方いいのかなと少し焦りました!
CH): そんな熱心に見えたのですか?ノッパチャイさんとは初共演でしたから、台詞は少なかったのですが、役作りのためにも私の台詞に対してどうトゥルが反応するのかを稽古しておきたかったのです。でもノッパチャイさんはあまり稽古をせず、でも撮影が始まるとすぐにトゥルに成りきっていました。彼がとてもシャイなナイスガイであることも付け加えてさせてください!