石川県能登半島の最北端、奥能登・珠洲地域に400年以上前から伝わる 「揚げ浜式製塩法」を受け継ぐ浜士(はまじ)や、新たな製塩方法を生み出す人々を通じて、一時は失いかけた自然海水塩づくりの再生と未来への継承を描く長編ドキュメンタリー作品『ひとにぎりの塩』が本日より金沢にて先行公開となりました。先ほど、ユナイテッド・シネマ金沢にて、初日舞台挨拶を行いました。

本年6月に世界農業遺産に認定された能登半島。雄大な日本海と日本の原風景とも言われる美しい里山に抱かれる人間の営みを、季節を通じて追いかけたドキュメンタリー『ひとにぎりの塩』は、本作が長編ドキュメンタリー初監督作品となる石井かほり、撮影に『E.YAZAWA ROCK』の瀬川 龍。ナレーションは、モデル、タレントでマルチな活躍で人気のはな、音楽には、雄大かつ繊細な音をつむぎ出し数々の映画音楽・テーマ曲を手がける谷川賢作を迎え完成いたしました。

■日 時:10月29日(土) ■場 所:ユナイテッド・シネマ金沢 スクリーン8  
■石井かほり監督(32):

上映終了後、塩田村の塩士(しおじ)と呼ばれる塩作りの職人が着る半被を借りて登場。
監督:私がこの作品を作ろうとした一番最初のきっかけは2009年9月に奥能登にある塩田村で働いてる方から「塩田で塩を作っているんだけど、見に来ない?」というお誘いで珠洲に行ったのがきっかけです。自分も塩田というものがよく分からない状態で行ってみました。そこで働いているおばちゃん達が汗だくになって自分と同じ大きさぐらいの工具を持って砂を集めている姿や、親方が一中夜寝ずに、窯焚きをしている姿を目の当たりにして「わぁ〜かっこいい!」と惚れ込んでしまいました。
海水がゆっくり結晶化していって塩が作られていく姿を生まれて初めて見た時に、いままで無意識の内に食べていた“塩“というのがこういう風に作られていて、私は何も知らずに塩を食べていたんだな。と気づいた瞬間でした。また、大量に生産することが出来るのに、なぜ、こんなに大変な思いをして作っているのか?それがすごく不思議でした。珠洲で食べた塩の味がすごく美味しくて、浜取りさんや職人さんの人柄を含めた味わいに思えたから、これは映像にして伝えなければ。とその思い一つだけで現場に入りこんで撮影を始めてしまいました。

本日、来場していただいた方にはプレゼントで“珠洲の塩“を配布。監督のお勧めな塩の使い方を教えてくださいという質問に
監督:やっぱり白米で塩むすびを食べていただきたいです。あと、アイスクリームにひとつまみかけて食べてみてください。甘さがより引き立ちます!“塩“には甘味を引きだす力もあるんです。

最後に、日本は海に囲まれていて塩なんてどこでも取れると思われる方も多いと思うんですが、珠洲、そして能登の海がとても特別だと、撮影を通して学びました。ぜひ、石川県の多くの方にご覧いただけたらと思います。と締めくくった。