第24回東京国際映画祭:『キツツキと雨』記者会見
「南極料理人」の沖田修一監督最新作、映画「キツツキと雨」。主演は日本ならずアジアを代表するベテラン俳優・役所広司。そして今回初の共演を果たすのは、昨年監督デビューも果たし才能溢れる若手実力派・小栗旬。
コメディセンス溢れるオリジナル脚本の本作で、今まで見たことのない二人の新境地が解き明かされます。
第24回東京国際映画祭で記者会見が行われまいsた。
Q.挨拶
監督:本当にこのように上映できて、とても嬉しく思います。皆さんに楽しんでいただければと思います。
役所:この『キツツキと雨』は、来年の2月11日公開です。そしてここ東京国際映画祭で一足先に上映できることをとても光栄に思っています。とにかく、ほのぼのとした映画ですので、皆さんに楽しんでいただければと思います。
小栗:この映画に参加できたことに、とても光栄に思っています。そして、面白い映画が出来上がったと思います。公開まで、まだまだ時間がありますがどうぞ宜しくお願いいたします。
Q.役所さん、小栗さんのお二人とも自身で監督を経験されたことがあるかと思います。特に小栗さんの今回の役どころは新人監督です。それぞれご自身の製作者としての体験は、今回の作品に活かされたでしょうか?また、監督はお二人の経験は参考になったのでしょうか?
役所:一度だけ監督を経験させていただきましたが、今回小栗くんが演じる新人監督・幸一が率いるクルーよりは予算のある映画でした(笑)また俳優として色々な現場を見てきましたが、沖田監督が作品の中に登場をさせる俳優・スタッフたちは、かなりリアルだと思いました。多少誇張をしている部分もありますが、「ああ、こういう人いるな〜」と思えて、楽しみながら演じられた現場でした。監督は、
裏の現場を良く知っている。演じるに当たって役立ったことは多くありますね。
小栗:映画の中で、幸一が一度逃げ出すシーンがあります。その時の気持ちは、映画を撮影していた頃、自分が日々感じていたことでした。自分の希望で始めたことでしたが、いざやり始めてみたらとても大変で、明日は雨だったらいいのにと思ったり、誰もいない場所に行きたいなーと思ったり、今回の役を演じるに当たって自分のことを思い出しました。
監督:まず小栗さんが好きだったことが前提として、オファーしました。以前、小栗さんのインタビューを読んだ時に、凄く素直な人で、とても魅力的だと感じましたね。そのこともキャスティングに当たっての要素の一つだとも思います。
Q.監督の独特のユーモアはどこから生まれるのでしょうか?また主演のお二人は、監督のユーモアに対してどのように感じられているのでしょうか?
監督:どこから来るんですかね(笑)必死で生きている人たちを映画に登場させて、彼らが物語を作っていくと、ごく自然な人間の持っている“おかしみ”を押し付けがましくなく脚本に落とせることがあります。そのような事を大切にして、俳優さんたちに楽しんで演じてくださるようなことが出来るように心がけています。
役所:これだけ面白い台本なので、役者として演じたときに、これよりも面白くなくなったらどうしよう?という不安はあります。ただこの克彦という役を演じている時は、面白いユーモアがあると思って行動するのではなく、普段生きている中で理由があってそのような行動をとっていると思ってやりました。きっとそれが、監督が狙っている事なんだとうなと思いました。
小栗:監督は「特に何がダメということはないのですが、もう一回いいですか?」と
いうことがありまして、それは役所さんとも話しましたが、きっと監督しか分からない微妙なズレの感覚なんだろうなと思います。そのように言われてのリテイクでは、何を変えるわけでもなく同じように演じるとOKだったり。微妙な感覚に敏感な感じでそれは監督特有の感性なんだろうなと思います。
監督:おそらく、何かその場の雰囲気が違うことがあるのかもしれません。確かに、理由はないけどもう一回お願いしますと言うことがありますね(笑)