第35回モントリオール世界映画祭にて、出品作品の中で最もインパクトを与え、革新的で質の高い作品として、イノベーションアワードを受賞した映画「アントキノイノチ」(11月19日公開)。

先日開幕した第24回東京国際映画祭のグリーンカーペットにも主演の岡田将生さん、榮倉奈々さん、瀬々敬久監督が参加し、その華やかな出で立ちが話題を呼びました。

そして、本作のプレミア上映会が行われる本日、岡田さん、榮倉さん、原田泰造さん、瀬々敬久監督が、六本木の東京ミッドタウンでトークイベントを行いました。

会場には、500名のファンの皆さんが詰め掛けましたが、作品同様の温かいトークで、時に爆笑をさらい、撮影時のエピソードや魅力を大いに語りました。また、イベントの最後には、ファンの皆さんにご協力いただき、公式サイトで配信する着信ボイスの収録を行いました。

【トークイベント概要】

■日時:10月24日(月)12:15〜12:45
■会場:東京・六本木 東京ミッドタウン キャノピー・スクエア
■登壇者:岡田将生、榮倉奈々、原田泰造、瀬々敬久監督
■観客:500名

【トークイベント】

●MC:
本日は映画のタイトル「アントキノイノチ」にちなんで、登壇者の皆さんに「あの時の○○(マルマル)」というテーマで、お話を伺えればと思います。

まずは岡田さん、「あの時の現場」ということで、撮影エピソードなどを教えて下さい。

●岡田将生さん:
登山のシーンがあるのですが、その撮影がクランクインだったんです。
スタッフの方からは、「普通に徒歩で登れるから大丈夫だよ」と、言われていたのですが、ロケ地に行くだけで1時間半くらい歩いたのでバテてしまって、初日はそれだけで体力を消耗してしまいました。
「スタッフに嘘つかれたなぁ」と思いました(会場笑い)。

●瀬々敬久監督:
でも、岡田君は素晴らしいんですよ。初日、高校生役の役者たちが、少したるんでいたんですね。そうしたら、岡田君が「しっかりやろう」と直接注意してくれたんですよ。

でも、その翌日に岡田君が怪我をしてしまったんですけどね(会場笑い)。

●榮倉奈々さん:
あの登山のシーンは、観ていてハラハラしましたよ。1時間半かけて山に登っただけの価値があったと思います。

●瀬々監督
実は、僕はロケハンで骨折しました(会場笑い)。

●榮倉さん:
それを聞いて、「撮影前に監督が怪我するなんで、先行き不安な現場だなぁ」と思いましたね(笑)。

●MC:
映画の冒頭で、岡田さんが全裸で屋根の上にいるシーンが、とても印象に残っているのですが、あのシーンは実際に屋根の上に登られたのですか? また、演じられてみていかがでしたか?

●岡田さん:
本当にインパクトがあるシーンで、実際に裸の状態で屋根にあがって撮影したのですが、普通の住宅街だったので、歩いていた方々が見たことのない表情をしてましたね(会場笑い)。

●原田泰造さん:
すごくきれいなおしりでしたよ。

●岡田さん:
きれいじゃないですよ!やめて下さい。汚いです(笑)!

●瀬々監督:
すごくチャーミングなプリっとしたおしりなので、皆さんお楽しみに!

●MC:
続きまして榮倉さん、「あの時のセリフ」ということで、本作で1番印象深いシーン、セリフについてお話頂けますでしょうか?

●榮倉奈々さん:
私が演じたゆきちゃんと、岡田君が演じた杏平は、ある事情から生き残ってしまったことに罪悪感を感じて生きているんですが、お互いにそれを助け合って一生懸命、生きていきたいと感じているんです。

本当に素敵なセリフが沢山あるのですが、私が1番好きなのは、セリフが全くないシーンで、その景色がすごく綺麗なんです。
「きっとあの2人もその景色を見て、自分たちの未来に希望を持っているんだろうな」と映画を観て感じました。

モントリオール映画祭でも、「セリフがなくても2人の心が通じ合っているように見えたのがすごく良かった」と声をかけてくれた方もいたので、それはすごく嬉しかったですね。

●MC:
続きまして、原田さんには「あの時の経験」ということで、遺品整理業者の役柄を演じたこと、また実際に遺品整理業の現場を体験されたそうですが、その時のことを教えて下さい。

●原田泰造さん:
監督も榮倉さんも岡田さんも経験されたそうですが、それぞれが別の現場だったんですね。僕が行った現場は、死後2ヶ月経ってから発見された方のご自宅で、最初は面食らってしまいました。

でも、しばらく作業をさせていただいて、「俺、この仕事できるな」と、思いました。遺品をご供養品と処分するものに分けていくのですが、次第に亡くなった方のことを思うようになって、天国へのお引越しを手伝ってるという感覚になりました。
すごい仕事だなと思いましたね。撮影でもそういう気持ちを意識して演じました。

●監督にお聞きします。ずばり「あの時の命」ということで、過去から未来へと命をつなぐこの作品で伝えたかったことをお話いただけますか?

●瀬々監督:
先ほど、榮倉さんから生き残ってしまった若い2人をメインに描いた作品だと言う話もありました。日本では、3月11日に、あの震災が発生し、沢山の方々が亡くなられました。

でも、この映画では、1人の命はそこで終わってしまったけど、残された命に、その皆さんの思いは伝わっていくんだ、ということを描いたつもりです。日本は今も大変な時期ですが、この時代に、「これからも生きるんだ!」という、未来への希望の思いを託した映画です。

※ここで、登壇者の皆さんに、『過去を乗り越え、未来に命を繋いでいく』という映画のテーマにちなんで、「あの時の私」という観点から、ご自身の過去の写真をお持ちいただき、その思い出などを語っていただきました。

そして、イベントの最後に、ファンの皆さんと一緒に記念撮影を行い、本作の印象的なシーンで、岡田さんと榮倉さんが叫ぶ「元気ですかー」というセリフを一緒に叫んでいただきました。
なお、その音源が、着ボイスとして後日公式サイトで配信されます。

こうして大盛況のうちにトークイベントは終了しました。

以上。