本年度カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、世界の観客を日本の<武士の精神>で魅了した時代劇「一命」が、今週末の10月15日(土)いよいよ日本で公開致します。

そしてこの度、公開直前に特別試写会を実施し、サプライズゲストとして、先日、大関へ昇進されたばかりの琴奨菊関が駆けつけて舞台挨拶を行いました。

日本人として4年振りの大関誕生にして、現在、横綱大関陣での日本人力士は琴奨菊のみという、まさに今、世界一熱い武士といっても過言ではない琴奨菊関だからこそ語れる<武士の精神>を存分に語っていただきました。

■日時:10月12日(水)18:30〜
■場所:有楽町朝日ホール
■登壇者:大関・琴奨菊(27歳)
■司会:八雲ふみね

<舞台挨拶>

●MC:今日はこういったイベントに参加されていかがですか?

●琴奨菊関:
土俵に上がる時より緊張しています(会場笑)。

●MC:
映画はいかがでしたか?

●琴奨菊関:
すごく武士道というものを感じさせられました。
昔、師匠に「お相撲さんは武士の名残が残っているから、髷があるし、着物を着るんだよ」と言われたこともあるので、この映画を観た時、とても共感できました。

また、相撲の結びの一番の土俵に上がる行司は、腰に短刀を携えて土俵に上がるんですが、判定を間違えてしまった場合、切腹をして詫びる覚悟がある、という意味があるんです。そういう部分も、映画と合っていた気がします。

●MC:
現在の相撲界において、日本人の大関は琴奨菊関ただ1人ですが、大関が武士として心がけてることは何ですか?

●琴奨菊:
相撲同に徹するのはもちろんのことですが、常に自分の視野を広げて、自分に吸収できること、自分に足りないものを得てもっと上を目指し、精進することです。

●MC:大関にとっての侍スピリッツとは何ですか?

●琴奨菊関:
命をかけて1つのことをやり遂げることだと思います。

●MC:
大関ご自身、一という数字には特別な思い入れがあるそうですが、先日の昇進の際、目標に掲げた四字熟語にも一の字が入っていましたね。

●琴奨菊関:
僕の家系は、男の名前は“一”という字が入っています。
これは祖父から始まったことなのですが、その祖父も、僕が大関になるのが夢だと言ってくれて応援してくれました。

残念ながら3年前に祖父は亡くなったのですが、祖父の意思を継いで、これからもっともっと上を目指したいという思いから、“一”の字が入った“万里一空”という言葉を選びました。

●MC:今回この試写会に参加していかがでしたか?

●琴奨菊関:
この時期にこういったイベントに出させていただいたので、映画『一命』とは、運命的な出会いを感じましたね。

●MC:いよいよ11月からは九州場所が始まりますが、ぜひ、意気込みをお聞かせ下さい。

●琴奨菊関:
九州場所では、映画で海老蔵さんが演じられた半四郎のように、一命を懸けて、自分も一生懸命頑張りますので、皆さん応援よろしくお願いいたします。

<囲み取材>
●MC:改めまして、映画の感想をお聞かせ下さい。

●琴奨菊:
すごく考えさせられる内容でした。
自分達の髷というのは、武士の名残としてあるというのを師匠からも言われており、そういう習慣が常々あったので、この映画を見て本当の武士道を再確認できました。

●MC:印象に残っているシーンはどこですか?

●琴奨菊:
切腹のシーンはすごく印象に残ってますね。

●MC:一命を懸けてやり遂げたいことは何ですか?

●琴奨菊:相撲というものを通して、色々なものを学んでいるので、これからも一命を懸けて相撲道で精進していきたいです。

●MC:好きな女性のタイプはどんなタイプですか?

●琴奨菊:
優しい方がいいですね。相撲は男だけの世界なので、癒してくれるような方がいいです。

●MC:ご自身と、海老蔵さんが演じた半四郎で似ているところは?

●琴奨菊:
半四郎を通して、相撲に対する姿勢や生き方が共感できました。
これからも相撲に恩返しできるように、そういう願いも込めて見ることができました。いい時期にこの映画を観ることができたと思います。

●MC:来月は地元である九州場所ですね。意気込みをお聞かせ下さい。

●琴奨菊:
大関になって初めて九州に帰るので、大関として一番最初の場所で、自分らしい相撲をとって、皆さんに感動してもらいたいと思います。

●MC:最後にこの映画の魅力をお聞かせ下さい。

●琴奨菊:
今の世の中には色々なものが溢れていますが、日本人として、侍として、失っているものは多いと思います。そんな中で、この映画はそういう部分を感じさせられる映画だと思うので、是非皆さんにも観てほしいです。