先週末10月15日(土)に公開され、多くのお客様よりご好評を頂いております、映画「一命」が、本日大ヒットの御礼を兼ね、主演の市川海老蔵と鬼才・三池崇史監督による舞台挨拶を実施いたしました。
なお、市川海老蔵は現在、名古屋・御園座にて公演中の舞台の合間を縫っての登壇になりました。

【日時】
10月23日(日)午後4:20の回 (上映開始前)
【場所】
愛知県名古屋市・ミッドランドスクエアシネマ(ミッドランドスクエア5F)
【登壇者】市川海老蔵、三池崇史監督

【舞台挨拶】

◆三池崇史監督:
見終わった後にも同じような拍手が頂けると嬉しいです。この映画は痛みもありますが、ベースにあるのは優しさや温かさです。それを感じていただければと思います。

◆市川海老蔵さん:
監督が作られた大変温かいものが流れている映画です。お楽しみください。

(海老蔵さんは現在、御園座で公演中の舞台のため、10月15日初日の東京での舞台挨拶にはご登壇できなかったのですが、その代わりにお客様へお手紙でご挨拶され、また初日舞台挨拶に登壇された瑛太さん、満島ひかりさん、監督にもメッセージを書いていただききました。今回は、海老蔵さんへ、瑛太さん、満島ひかりさんからお返事をいただき、海老蔵さんに読んでいただきました。)

★瑛太さんから海老蔵さんへのお手紙

海老蔵様

海老蔵さん、大好きです。
次回敵役で共演する機会があるのならば、私はバストを30センチほどアップして挑みたいと思います。海老蔵さん、この間紹介していただいた書物、楽しく読ませていただいてますが、テーブルの上に置いておくのはやめようと思いました。
海老蔵さん、またお会い出来る日を楽しみにしています。

瑛太

◆海老蔵さん:
バストアップ?よくわからないですね(笑)。鍛えるということでしょうか。
(初日の海老蔵さんからのお手紙で「敵役で共演したい」とあったので)ライバルですからね。私も頑張ります。

MC:瑛太さんと5才差で親子役を演じたことについてはいかがですか?

◆海老蔵さん:
「切腹」の仲代(達矢)さんも20代だったということで、そういうことも考えて、一生懸命務めました。

★満島ひかりさんから海老蔵さんへのお手紙

市川海老蔵様

父親役である海老蔵さんの立ち姿を、その大きな背中を見ているだけで、気持ちが凛としました。
同じ映画の中で生きている事を、誇りに思います。

満島ひかり

MC:満島さんはご一緒されていかがでした?

◆海老蔵さん:
素晴らしい方だな、と拝見しました。やはり瑛太君と喋っている方が多かったですね。
満島さんは早い時間から入られるので。冬場だったので暖を取りながら瑛太さんとは、ちょうど同じような時期に結婚したので、どうなんだ、ああなんだと。

MC:海老蔵さんは監督から色々と刺激を受けられたと伺っております。
海老蔵さんにとって監督はどんな存在ですか?

◆海老蔵さん:
僕の心の中のどこかにいつもいらっしゃいます。僕たちは歌舞伎中心なので、歌舞伎の演じ方や心得は知っているのですが、普通の芝居をする上で間とか、距離感とか感覚が衝撃的でした。そういうのを監督だったらどうだったかな、と考えるようになりました。

MC:撮影後、公開後の今でも、食事してる時などそうなんですか?

◆海老蔵さん:
食事中も(笑)? たまに思います。2、3週間に1回は「監督、何食べてるかな?」とか(笑)。

MC:三池監督にとって海老蔵さんはどんな役者さんでしたか?

◆三池監督:
我々スタッフ、カメラマン、演出して映像にとって、映画が完成することにドキドキするわけですが、美術はそこに海老蔵さんが立ったことで完成する、そういう意味ではプロのスタッフとしては完璧なんです。

それが(観客に)伝わらなかったりするのは我々の問題。今回の彼の凄さは誰が見ても分かってもらえるかな、と。映画も、現場で演じながら共演者やスタッフの動きをじっと観察してるんですね。吸収していく。

僕ら映画の人間は(セリフなど)を消化していくのですが、彼は歌舞伎がベースなのでどんどんため込んでいく。一度やったものも伝えていかねばならないので。
台本の読み方が違うんですね。スタッフも共演者も会ったことのない人種でした。
すごく楽しかったです。

MC:「一命」の経験が歌舞伎につながるところはありますか?)

◆三池監督:
その時の思いは色々あると思うんです。彼のたたずまいは修行を積んでいる人間にしか出せない。刀をもって座ってるだけで侍なんです。それは凄く美しいんです。
3Dで海老蔵さんが飛び出すわけではないですが、いずれ映画は裸眼で見る3Dになっていくと思います。特別なものと思わないで楽しんでください。
日本の床の間の奥行きや花とのバランスなど楽しんでいただければと思います。

【最後のご挨拶】

◆海老蔵さん:
時代劇が日本で減っている中、三池監督や瑛太君や満島さんや役所さんら素晴らしい俳優さんとこの映画に出られたこと、こうやって皆さんに見ていただけることを本当に嬉しいことだと感じています。
時代劇というものが今後どうなっていくのかも感じていただきながら皆さんに見ていただけると嬉しいなと思っています。よろしくお願いします。

◆三池監督:
スタッフ、キャストの持てる力を普段の120%出し切って、限界を超えている作品に仕上がっていると思います。お話がお話なので、いまどきの映画は見やすい方が楽ですが、この半四郎の見た世界を体験してほしいと思います。

また坂本龍一の音楽が皆さんを静かに引きずりこんで、感情をもてあそばない音楽なので、皆さんの感じるままに楽しんでいただいて、気に入っていただけましたら、他の方にもお声かけて応援していただければと思います。よろしくお願いいたします。