第4回したまちコメディ映画祭がついに開催されました!「したコメ」は浅草、上野という東京随一のしたまちの魅力をコメディ映画を通じて存分に味わっていただく映画祭です。
「瀬川昌治監督」と題した、瀬川監督の名作「乾杯ごきげん野郎!」、「喜劇 競馬必勝法」、「喜劇 逆転旅行」の3作の上映及び瀬川監督ご本人をお招きしトークショーを実施いたしました。

●実施日時:9月19日(月)
●場所:浅草中映劇場
●登壇:瀬川昌治監督(85)、井坂聡(41)
●MC:佐藤利明(48)

トークショーでは、瀬川監督の他、瀬川監督の助監督を長く勤めた井坂聡監督が登壇し、娯楽映画研究家の佐藤利明さんの進行の下、“師弟対談”が行われました。

瀬川監督と井坂監督は、東京大学野球部の先輩後輩の間柄で、井坂監督が学生時代に、映画監督を志し、学生の就職課に相談したと
ころ、瀬川監督を紹介してもらって以来の関係とのことで、それ以来、助監督として長らく瀬川監督を支えてきたとのことです。

瀬川監督は、井坂監督の助監督時代の働き振りを、「監督の意図をしっかり汲み取ってくれ、段取りを決めてくれる素晴らしい監督」
と評し、それに対して井坂監督は、「内緒で話ができないって言ってたじゃないですか。」と返答するなど、師弟関係の仲の良さが伺
えました。

また、井坂監督から、瀬川監督の作品作りについて、「素人の時は何気なく観ていたが、映画監督になり、コメディは1人1人がきっ
ちり役割を果たしていないと成立しないことが分かり、瀬川監督の凄さを改めて実感しました。」とのこと。

井川監督は瀬川監督の演出方法について、「出演した俳優と監督でアイデアを出し合い、その場で取り入れ作品づくりに反映し
ていく演出方法が見事」と表現し、瀬川監督からも、自身のコメディ映画演出方法について、「観客に“嘘”を面白く魅せるコメディ
作品では、とにかく冒頭にアクセントをもってくることが大切であるので、作品冒頭の演出には徹底的にこだわる。」と自身の方法論
をご披露頂きました。

瀬川監督は、現在久々となる次回作を考案中とのことで、考案中の脚本のプロットについても披露頂きました。若い男が耳が不自な
少年を引き取り、彼女と共に、少年を育てることで成長していく作品となる次回作は、来年中には撮影予定との事で、今後の公開が
期待されます。

また、舞台挨拶の最後は、瀬川監督作品で何度もヒロインを務めた賠償千恵子さんから、瀬川監督へのボイスメッセージが公開され、
久しぶりの賠償さんからのメッセージに、瀬川監督も大変うれしそうな様子でした。

瀬川監督から、井坂監督、会場に来ていた本広克行に対して、「井坂監督、本広監督共にとても頭が良く、いい作品を撮る監督。今後
も社会派作品を始め、どんどんいい作品を作っていってほしい」とエールが送られ、盛会裏に舞台挨拶を終えました。