第4回したまちコメディ映画祭がついに開催されました!「したコメ」は浅草、上野という東京随一のしたまちの魅力をコメディ映画を通じて存分に味わっていただく映画祭です。
今年のコメディ栄誉賞を受賞した伊東四朗氏を特集し出演作3本を上映し、最後には伊東氏をよく知る高田文夫氏、小松政夫氏にお越しいただき、トークショーを行いました。授賞式で表彰されたばかりの伊東氏に小松氏が再度「あんたはエライ!」と賞状を渡す一幕もあり、往年のギャグに会場は大盛り上がりでした。

●実施日時:9月17日(土)
●場所:浅草中映劇場
●登壇:伊東四朗(74)、高田文夫(69)、小松政夫(63)

■伊東:僕は既に2回、浅草で賞を頂いてるんですが、そのうちの一つが17〜18年前の浅草芸能大賞なんです。だから僕の手形も公会堂前にあるんですよ。よくそこに手を置いて「あ、ぴったりだ」ってやってんですから、ほとんどバカでしょ(笑)僕がデビューしたのは、大学にいけなくて早稲田大学の地下にある生協で働いてたのが始まり。そこで牛乳のフタを開けると時給30円だったの。そこで「伊東くんは、日本一だね」って誉められたけど、ちっとも嬉しくなかった!後々、TV関係の人に早稲田が多くて「伊東さんも早稲田なんですよね?」ってきかれて、だんだんめんどくさくなっちゃって、否定しなくなったんだけど、「(学部は)どこなんですか?」って続くもんだから、「地下」って答えてたりしてたよ。その生協で石井均さんに声をかけられてね、「俺こんど独立して石井均一座作るから、お前出ろ」って言われたんだ。「何やるんですか」って聞いたら「ステージの真ん中に公衆トイレあるから、チャック上げながら口笛吹いて出てこい」って。それやったら「おう。いいじゃねぇか。明日も出ろ。」って。で、ちょうどその時、生協からも「伊東君、生活協同組合の正社員になりませんか?」と、こうくるんだよ。で、その時に今まで物を考えたことのなかった僕が、はたと膝を折ったね。「俺は生涯ビンのフタだけでいいのか?」って。ひょっとしたらフタよりもジッパーの方が将来があるんじゃないかって。でも、プロになると途端にほめられなくなって、浅草寺に反省しに行けとか言われたよ。当時の浅草寺って居合い抜きや、怪しい薬を売る大道芸とかやってるんだけど、あの話術には本当に反省させられたね!小松さんとやった「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」は、当時のプロデューサーが「電線軍団てゆうのやるから、団長になって。小松政夫もでます。キャンディーズもつけます。東八郎もつけます。だからやってください!」って意味わかんなかったんだ、最初。名前も「ベンジャミンてどうかな」「ヤコブソンて言うのもある」なんて言ってね。最初はスタジオだったのに、ロケやりますって言うから嫌な予感したんだ!浅草のお祭りのときなんて、ベンジャミンなのに「ベンジョムシ!」って呼ばれて傷ついたなぁ、あれ。ある時なんか無許可で撮影したら何千人も集まっちゃって、警察署長がパトカーで来たんだけど、皆クモの子を散らすように逃げちゃってさ。俺だけあの恰好でぽつんと残されたのよ。で、「君が責任者か!」って。ベンジャミン生涯一回だけ、それで始末書書いてるからね。その前にはトリオ全盛期にてんぷくトリオっていうのをやってたけど、なんとか井上ひさしさんのおかげで、ぼくらのトリオは長生きしたんですよ。死刑囚のコントっていうのは本当に会場が揺れるほどウケましたね!すごかった!ただ、井上さんのコントは難しくてね、今や劇団の教科書にもなってるそうですよ。僕は死ぬまで喜劇俳優やります。よろしくお願いします!

■高田:今日はいろんな秘話を聞けたけど、伊東さん忘れすぎですよ。大体、伊東さん自分がなんていうトリオにいたか覚えてますか?ぜひともぎりぎりまでタフマン飲んでがんばってくださいね!

■小松:伊東さんとコンビでやってたのは、たかだか6年くらいなんだね。「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」でやった司会者の役は良かったんですよ。本当にそういう人がいてね。この番組のロケは「どこへでもでかけてゆきます」っていって警察学校までいったんだから。一番怖かったのは、浅草のお祭りのときにロケバスで会場までいくんだけど、人垣がすごくてバスをドンドン叩くんですよ。でも、思い返してみると、あの時の流行り言葉って全部、伊東さんが拾ってきてたね。「もう嫌、こんな生活」とか。楽屋である時、伊東さんと話しててね、「昨日面白い女性に会った」っていうの。喫茶店で男がたばこぷかぷかしてて、その横で「ねぇ、どうして!私の悪いとこ全部直すから!お願い!どうして、どうしてなの!」って女が言ってんだって。なんて話してるときにディレクターが来て「すいません、9時開始だったんですけど15分遅らせてください」って来て、そこで伊東さんがすかさず、「どうして!どうしてなの!」ってやって、面白いからすぐそれ使おうってなったりしたね。伊東さんは音楽的にも優れてるんだよ。「ニンドスハッカッカ、マー!ヒジリキホッキョッキョ!」も伊東さんが拾ってくれたものでね、小学校の頃の先生が問題のわからなかった僕に言った言葉なんだよね。ほんとに伊東さんは国の宝です。彼がいればこの国は安泰!

「第4回したまちコメディ映画祭in台東」
9月16日(金)〜9月19日(月・祝)開催!!