開場前から長蛇の列ができ、座席819席が満席の状態。作品に対しての反応は非常に良く、ところどころで笑いが起き(樹木さん演じる八重が娘をメイド呼ばわりするシーン、記憶を無くしつつある八重が孫娘に対して「私も、あんたなんかバイバイ」という台詞箇所等々)、最後には涙を拭きながらも興奮気味に友人と映画について語り合いながら、会場を後にする観客の姿があった。午前中の上映ということもあり年配の客層が多く、さらには土曜日の為、学生や熱心な映画ファン、そしてプレス試写ということもあり、業界関係者も多かった。エンドロール開始時点から自然と拍手が沸き起こり、約5分間に渡る暖かい拍手が続いた。

登壇者:原田遊人(はらだ・ゆうじん)、樹木希林(きき・きりん)
壇上コメント:
原田遊人
「Bonjour, Je m’appelle Eugene Harada.(以下、英語で挨拶)
私はこの作品の編集を担当しています。原田眞人監督は現在、役所広司さんと別の作品の撮影を京都で行っているため、残念ながら映画祭に参加できません。今回この映画をこちらにいる樹木さんと共に紹介するために、この映画祭に参加できたことをとても嬉しく、そして光栄に思っています。映画を楽しんでください。Merci」

樹木希林
「Je m’apelle Kiki Kilin.
(以下、日本語で。お孫さんの雅楽さんが樹木さんとともに檀上に登壇し、観客のために英訳してくれました) 
(雅楽さんを指し)私の孫です。映画が好きな13歳です。」

【観客コメント】
★70代女性二人組「すごくよかった。本当に映像が美しかったし、演技もとてもリアルで、内容に入りこめた。とても感動したので、友達を誘って、また明日の回も見に来よう、という話をしていたところ。」
★女性30代「日本を舞台にした話ではあるけれど、映画の中に出てくる家族と共に、老いと向き合っていく、この数年間を一緒に体験するような気持ちで見ていた。まるで自分のこととして、感じることができた。とても心を動かされた。美しい映像だったし、見に来て本当によかった。」
★男性50代「作品のテーマが普遍的な内容だったということもあり、楽しめた。日本の四季の美しさも良かったし、演技はただ素晴らしい。」
★男性40代・映画関係者「感動作。ノスタルジックなタッチも含め、とても良かった。役者の演技もかった。日本の映画は北米の観客には少しわかりづらかったりすることが多いが、この作品は家族や郷愁感と言ったテーマも含め、とても受け入れやすい内容だと思う。」
★モントリオール在住の日本人女性(60代)「とても良かった。希林さんの役に色々と考えさせられた。ここで樹木希林さんにお会いできるとは思わなかった。」