スペイン映画『ペーパーバード 幸せは翼にのって』が8月13日(土)より、銀座テアトルシネマ他にて全国順次公開いたします。本作はスペイン内戦時代から、フランコ独裁政権という時代を背景に、少年との出会いによって生きる希望を見出す喜劇役者を描いた作品です。監督は、代々続くサーカス・アーティストの家系で、スペインの国民的芸能一家出身のエミリオ・アラゴン。今回が初監督作品になります。深い悲しみを背負った主人公と、孤独な少年の心の交流が、生きることの悲しみと喜びを、笑顔ともに教えてくれる感動作です。

「紙で作られた鳥によって、非常に繊細な人間の絆というものを表現したかった」と監督が語る本作には、折り紙の鳥が“希望の象徴”として使用されています。本日、公開に先駆けまして折り紙アーティストの西田シャトナーさんを招き試写会イベントを行いました。折り紙アーティストのほか、演劇人としても活躍する西田氏に作品の魅力を語っていただくとともに、作品に登場する「ペーパーバード」(紙の鳥)を観客とともに折っていいただきました。昔から子どもの遊びとして親しまれてきた折り紙ですが、節電の夏である今年、電気を使用しない遊びとして、注目の遊びでもあります。  

■日時■8月5日(金) 
■時間■18:30〜
■場所■セルバンテス文化センター東京オーディトリアム(千代田区六番町2-9)
■登壇者■西田シャトナー

<イベントの様子>
スペイン政府設立のセルバンテス文化センターで行われた試写会に、折り紙アーティストの西田シャトナー氏が登場。
作品の感想などを語った。

「とても感動しました。丁寧に描かれながらもスピーディーな展開に引き込まれていき、ラストは、こんな幸せの形もありなのかなと考えさせられました。折紙というのは単に四角い紙を折ったもので、見るものがこれが「鶴」なんだと信じこまないと成立しない芸術なんです。この映画で描かれる喜劇役者と少年の関係も、本当の“親子”ではないけれど、お互いを信じることで“本物”になっていく。そんなメタファーを込めて、映画では「ペーパーバード」が登場するのではないかなと思いました。余談ですが、折り紙といえば日本特有の文化なのかなと思っている人が多いと思いますが、スペインには素晴らしい折り紙作家がたくさんいるんです。だから、この映画で折り紙が登場してもスペインの方々には自然に受け入れられるんでしょうね。」

その後、来場者は入場時に配られた折り紙で、作中に登場する「ペーパーバード」(紙の鳥)を折った。「スペイン版の鳥は、きっちりとではなくややアバウトに折っていくのがコツです」など、西田氏のこまやかなアドバイスのもと、来場者たちは折り紙に熱中。手間取っている隣の人に折り方を教えてあげる人もいてにぎやかな“折り紙タイム”となった。最後は、スペイン版の特徴であるしっぽの部分をひっぱると羽がはばたく「ペーパーバード」の羽をみんなではためかせ、なごやかにイベントは終了した。