現在公開中の映画『あぜ道のダンディ』。
テアトル新宿にて、石井裕也監督(28)といとうせいこうさん(50)のトークショーを行いました。

【日時】 7月9日(土) 18:25-18:40 トークショー
【場所】 テアトル新宿
新宿区新宿3−14−20 新宿テアトルビルB1

以前から石井監督の才能に注目していたいとうせいこうさんと石井裕也監督のトークショー。
話題はカルマから政治にまで至りました。
もっと時間がほしい…!

いとうせいこうさん:
この映画では「親子が自然に似通ってしまう…言ってみればカルマについて考えさせられました。
1パターンの親子を描いたら、その祖先まで見えてくる、いわば人類感ですよ!
その壮大さには驚きました。
自分が「人形浄瑠璃」にハマっていて、父とは違う趣味だからカルマから解放された、と思ったら、父が「お前もか」という。
実は父の父、つまり祖父が人形浄瑠璃にハマっていた、というんだからDNA、カルマはおそろしい。
でも、そこにおかしみがある、という映画だと思った。

石井監督:
震災がったけど、なかったとしても日本って落ちて行っていたと思う。
そんな時にこそ、個人の倫理観や誠意が問われると思うんです。
そこを直視できるようになったから『あぜ道のダンディ』が撮れた。
日本経済が発展過程で失ったものを見直す必要があるんじゃないかと思うんです。
それで「粋」をテーマにした映画を撮りました。

いとう:
人類普遍の問題だよね。
いま、復興のために節電なんて、なんて考えもあるけど、根本的な人類の幸せを考えたらそんなこと言えない。
黒澤もそうやって戦後の日本を元気づけてきたんだもの。
石井君の映画が震災後の日本を元気づけますよ。
向かうところ敵なしですね!

石井:
いやいや…
でも今日、いとうさんとお話できてよかったです!

震災後の日本について、という壮大なテーマに差し掛かったところで残念ながら、時間切れ。
もっと、聞いていたいトークショーでした。