映画祭6日目となる現地時間5月16日、第64回カンヌ映画祭コンペティション部門最大の注目作、『ツリー・オブ・ライフ』の記者会見が行われました。
午前11時15分、記者会見の会場となったパレには、主演兼プロデューサーを務めるブラッド・ピットと、彼の妻を演じたジェシカ・チャステイン、プロデューサーのデデ・ガードナー、サラ・グリーン、グラント・ヒル、ビル・ポーラッドの6人が登壇。
 ディヴィッド・フィンチャー、テリー・ギリアム、スティーブン・ソダーバーグ、コーエン兄弟、クエンティン・タランティーノら名だたる監督の作品に出演し、マイケル・ウィンターボトム、マシュー・ヴォーンらのプロデューサーも務めたブラッド・ピットにして、鬼才テレンス・マリックの5本目の映画となるこの『ツリー・オブ・ライフ』は「自分が手がけなければならないと感じ、4年前から参加しました」と、作品に対する熱い想いを世界中から集まった報道陣で埋め尽くされた会場で語りました。
また、この日の朝に行われたマスコミ試写には、前評判が高かったことから世界各国のプレスが殺到し、入場できない記者が続出。本作の注目の高さを物語っていました。
カンヌでマスコミに熱狂的に迎えられたその後、米ヴァラエティ誌、ハリウッド・レポーター誌、英ガーディアン紙などの有力メディアが電子版に絶賛の批評を次々と掲載。まさに、世界が待ち望んでいた“歴史に名を残す”映画“の誕生の瞬間だといえます。
現地時間の19時(日本時間未明)には、シアター・ルミエール(キャパ2400人)で世界初披露となる公式上映が行われます。世界の映画人と映画ファンが見つめる中、カンヌでどれほどの熱狂で迎えられるのか注目されます。

≪記者会見でのピット、ジェシカ・チャステインの発言は以下の通りです≫

ブラッド・ピット:
この映画が描いている永遠の命題についてスタッフ、キャストと一緒に考えてみた。子供たちは厳格な自然である「父」と恵みと愛の象徴である「母」との間で揺れながら成長していく。この映画は何故、何のためにこの世に生まれて、そして死んで、一体どこに行くのかを描いた作品だ。
(この映画で描かれている家族は)自分の少年時代と少し似ている。脚本を読んだ時、自分が幼かったころを思い出した。(自分の父親も)あそこまで厳格ではなかったが、どこか似ているところがあった。
(公式の場に現れないことで有名なテレンス・マリック監督について;今回も欠席)とても優しい人で、一日中よく笑っている。トイレにも行くよ(笑)。毎日喜びを見出して、キャラクターを愛しみ、とてもリスペクトしてくれる。

ジェシカ・チャステイン:
もともとテレンス・マリック監督のファンだったので、(この映画に出演することが出来て)とても嬉しかった。監督とは撮影の約3ヶ月前から役作りの相談をしました。そこで、前もって出来上がりを計算するような演技プランを立てるのではなく、瞬間、瞬間をとらえるアプローチを学びました。