3月に新装オープンしたシネママルチプレックス KINOHAUSの2階に新たな文化の発信地としてオープンした「オーディトリウム渋谷」。3月11日の大震災の影響も考慮して開館を延期し、4月16日よりこけら落とし作品『ミツバチの羽音と地球の回転』の上映で本格的スタートを切るや、満員御礼の好発進となりました。

「オーディトリウム渋谷は、地震が起きた翌日3月12日にオープンの予定でした。3月11日の震災の際には、帰宅困難となった方が渋谷にも溢れ、オープン準備中の劇場は急遽渋谷地区の一時的な避難所となりました。それから1ヶ月──延期となっていた『ミツバチの羽音と地球の回転』を上映したところ、原発への関心が高まる社会状況の中、連日多くのお客様にご来場いただいております。催したトークショーも満席のにぎわいで、劇場も熱気にあふれていました。まさに今観るべき映画を上映し、多くのお客様と作品との刺激的な出会いの場となりながら劇場が発進できたことを本当に嬉しく感じます。劇場は時代とともにある生きものだと、始めてみて実感してきています。この震災で人々の考え方にも行動にも大きな変化が生まれています。この時代の節目にオープンした劇場として、今の時代のカルチャーの発信基地となるべく様々なプログラムで盛り上げていきますので、よろしくお願いします。」(オーディトリウム渋谷 キュレーター杉原永純談)

映画を中心にトークイベントやライブ、シンポジウムや講演会などにも使用できる多目的な場所であるオーディトウム渋谷では、ここで多様なジャンルの表現者と観客が交流する新しい文化の発信基地を目指して、多分野にわたるプログラムを送っていきます。

4月28日(木)には、第3回映画館大賞の蘇る名画部門で2010年の1本に選出された『骨まで愛して』の上映にともないエースのジョーこと、名優宍戸錠さんをお迎えしてのトークイベントを開催します。また今後も4月29日(金)からはゴダール『映画史(全8章)』一挙上映&『ゴダール・ソシアリスム』上映をはじめとする多彩なプログラムを展開。俳優たちを迎えての定期開催のトークイベント「ジャパニーズ・アクター」も年内開始の予定で、いまや都内でも数少なくなったカルチャー発信の場として話題を呼ぶこと間違いなしです! ぜひご注目ください。