角田光代原作で井上真央、永作博美出演の映画「八日目の蝉」の先行上映会が、公開に先駆けて9日(土)、同作のロケ地となった香川県小豆島の中央公民館で行われた。上映前の記念セレモニーでは、約850名の満員の観客の中、成島出監督(49)、小豆島の塩田町長などによる舞台挨拶や花束贈呈、中山の虫送り再現映像のフィルム贈呈などが行われた。まず町長が同じく小豆島が舞台となった映画「二十四の瞳」に絡めて、「二十四の瞳を越える映画になった。本当にありがとう。」と誇らしげに語り、監督が「全キャスト、全スタッフを代表して、お礼を申し上げる。こんなに気持ち良く撮影させていただいたのは小豆島が初めてで、本当に幸せだった。この映画を観て一人でも多くこの美しい島に訪れてもらい、恩返しがしたい。」と応え、延べ200人ものエキストラ出演や、6年前まで行われていた、竹でつくった火手(ほて)というたいまつを使い豊作を祈願するお祭り「中山の虫送り」の再現など、撮影に全面的に協力してもらった島民の方々に感謝の意を表していた。その後開かれた合同会見でも監督は用意された火手を手に取り、「小豆島の方々は安請けしないが、一度わかったというと全力で協力してくれる。今の民主党や政治家にも見てほしいね。」と語った。また、不倫相手の子を誘拐してしまう希和子と誘拐犯に育てられた恵理菜の二人の女性を描く同作については、「恵理菜の感じる居場所の無さ、希和子が犯罪者になっていく心理は、現在の日本で多くの方が感じていることでもある。この映画を観て少しでも傷んだ心が癒されてくれれば。」と語った。映画「八日目の蝉」は4月29日(金・祝)全国公開される。